「弘前ねぷたまつり」は、毎年8月1日~7日に開催され、三国志、水滸伝や日本の武将絵等を題材とした約80台の華麗な「ねぷた」が、城下町である弘前市を練り歩く夏まつりです。
農民が夏の忙しい時期に襲ってくる眠気を追い払うため、睡魔を燈籠などにのせ、川へ流した「眠り流し(ねむりながし)」という行事が発展し、祭りになったとされています。「子どもねぷた」や「前燈籠」など趣向を凝らし、鏡絵(前)の雄姿と見送り(後)の幽玄さが対照的な「扇ねぷた」、伝統ある豪華絢爛な「組ねぷた」とともに、情緒ある笛や太鼓のねぷた囃子にのせて、地域の人々の手によって運行されています。
また「ねぷた」が初めて記録に登場したのは、1722年(享保7年)とされており、2022年(令和4年)で300年という節目を迎えます。
今回お話を伺ったのは、つがにゃんねぷたの制作者でもある津軽藩ねぷた村の檜山さん。普段から伝統工芸品である「金魚ねぷた」や「扇ねぷた」、「組ねぷた」の制作に関わっているそうです。「弘前ねぷたまつり」の好きなところは、ヤーヤードーの掛け声と、笛や太鼓のお囃子を奏でながら勇ましく練り歩く、城下町らしい情緒と勇壮さが感じられるところだと話します。
また、参加者たちが、津軽の長く厳しい冬を乗り越え、短い夏を謳歌するがごとく燃え尽きることができるのも「弘前ねぷたまつり」の良さだそうです。
地域の参加者が中心となって「ねぷた」を曳き、観光で訪れた方などが、沿道で楽しめる「弘前ねぷたまつり」は、地域の伝統を直に感じることができ、充実した時間が過ごせることでしょう。