秋田杉の薄い板を曲げ、山桜の皮で綴じた「大館曲げわっぱ」は、美しい木目と秋田杉のほのかな香りが特徴です。秋田杉は吸湿性に優れているため、食材の水分を程良く吸い、ご飯をふっくら美味しい状態に保ってくれるという利点も!代表的な弁当箱やおひつのほか、最近ではコーヒーカップやぐい呑みなど、さまざまな製品が登場しています。
各産地に存在する曲げ物の中でも、唯一国の伝統的工芸品に指定されている「大館曲げわっぱ」。おかずが映え、冷めてもご飯がふっくらしたままと評判の高いお弁当箱に憧れる人も多いのでは? 手作業で作る職人技や、日常使いしやすい秘密など、「大館曲げわっぱ」の魅力に迫ります。
秋田杉の薄い板を曲げ、山桜の皮で綴じた「大館曲げわっぱ」は、美しい木目と秋田杉のほのかな香りが特徴です。秋田杉は吸湿性に優れているため、食材の水分を程良く吸い、ご飯をふっくら美味しい状態に保ってくれるという利点も!代表的な弁当箱やおひつのほか、最近ではコーヒーカップやぐい呑みなど、さまざまな製品が登場しています。
今回お話を聞いたのは、大館市にあり、創業60年以上の歴史を持つ「大館工芸社」の戸嶋さん。こちらでは現在、5名の伝統工芸士を含む27名の職人が在籍しています。勤続40年以上のベテランから高校卒業後に入社した新人まで、年齢はさまざま。中には、学校授業の一環で行った「曲げわっぱ制作体験」をきっかけに職人の道を選んだ人もいるそう!「「伝統的工芸品」と聞くと気後れしてしまいそうですが、ほかの食器と同じように使えるので、毎日の生活で「大館曲げわっぱ」を取り入れてほしいです」と話す戸嶋さん。伝統を支える職人技と、日常使いできる工夫について聞きました。
製材や曲げ、乾燥、底入れなど、約10工程を経て完成する「大館曲げわっぱ」。特に重要なのは、熱湯で煮沸した熱い板を型に合わせて素早く丸める「曲げ」の作業です。実際の様子を見せてもらうと、まばたきができないほどの速さ! 現在、「曲げ」に従事する職人は3名。1日で300〜400個も作ることがあるそう。
「大館工芸社」では2月から、新ブランド「Blanc Pa(ブランパ)」を展開しています。一つひとつの商品で木目の赤い部分と白い部分のグラデーションが異なる、オンリーワンの特別な器。その秘密は、通常は使用しない丸太の外側の若くて白い部分・シラタを活かしていることです。これまで「規格外」とされていたシラタをどうにか有効活用できないかと、研究と試作を重ねてできた「Blanc Pa」。貴重な資源を無駄なく使った、サスティナブルな視点がうれしいですね。毎日の食卓に取り入れてほしいと、パン皿やデザート皿として幅広く使えるディッシュや、スープを入れたり丼にしても◎の「ボウル」などをラインアップ。杉本来の個性から生まれた美しいグラデーションの器は、食卓を華やかにしてくれます。
「人気の弁当箱を使ってみたいけれど、手入れが大変そう…。」と思っていませんか? 「大館工芸社」で作っているほとんどの商品には、水を防ぎながらも湿気は通す特殊なウレタン塗装を施しています。油染みや色移りの心配不要で、中性洗剤とスポンジで水洗いできますよ。汚れや傷みが出た場合は、修理も可能なので、気軽に相談してみてください。
長い伝統を持つ「大館曲げわっぱ」。一瞬で形を決める職人技に惚れ惚れしちゃいます。若い職人を育てたり、時代に合わせた新ブランドを展開したりと、次の時代へ継承していく姿が印象的でした。そして意外だったのが手入れのしやすさ!伝統的工芸品と聞くとハードルの高さを感じてしまいがちですが、毎日でも使ってみたくなりました。
記事作成:あきたタウン情報