男鹿半島のフォトスポットを巡る!男鹿半島のフォトスポットを巡る!

日常に取り入れやすい大館曲げわっぱ

各産地に存在する曲げ物の中でも、唯一国の伝統的工芸品に指定されている「大館曲げわっぱ」。おかずが映え、冷めてもご飯がふっくらしたままと評判の高いお弁当箱に憧れる人も多いのでは? 手作業で作る職人技や、日常使いしやすい秘密など、「大館曲げわっぱ」の魅力に迫ります。

秋田杉の特性を活かした製品

大館曲げわっぱ
あきおあきお

秋田杉の薄い板を曲げ、山桜の皮で綴じた「大館曲げわっぱ」は、美しい木目と秋田杉のほのかな香りが特徴です。秋田杉は吸湿性に優れているため、食材の水分を程良く吸い、ご飯をふっくら美味しい状態に保ってくれるという利点も!代表的な弁当箱やおひつのほか、最近ではコーヒーカップやぐい呑みなど、さまざまな製品が登場しています。

伝統をつなぐ27名の職人

戸嶋さん
「17世紀後半には既に産業として発展していた大館曲げわっぱ。その製造工程は、昔も今も変わらぬ手作業です」と話す戸嶋さん。
お杉わらべ
ショールームには伝統工芸士の証が並びます。写真上の人形は、創業当初の主力商品「お杉わらべ」。

今回お話を聞いたのは、大館市にあり、創業60年以上の歴史を持つ「大館工芸社」の戸嶋さん。こちらでは現在、5名の伝統工芸士を含む27名の職人が在籍しています。勤続40年以上のベテランから高校卒業後に入社した新人まで、年齢はさまざま。中には、学校授業の一環で行った「曲げわっぱ制作体験」をきっかけに職人の道を選んだ人もいるそう!「「伝統的工芸品」と聞くと気後れしてしまいそうですが、ほかの食器と同じように使えるので、毎日の生活で「大館曲げわっぱ」を取り入れてほしいです」と話す戸嶋さん。伝統を支える職人技と、日常使いできる工夫について聞きました。

一瞬で決める「曲げ」はまさに神技!

曲げわっぱ
曲げわっぱ
曲げわっぱ
つがにゃんつがにゃん
硬かったり柔らかかったりと同じ木は一つとしてないため、「曲げ」は機械ではできません。
高清水 勲さん
11年目の高清水 勲さん。「曲げの作業は、木の反発力で生じる歪みも計算しながらの一発勝負です」。
製造
製造は分業制。仕上げとなる塗装と研磨の作業で強度が増し、木目の美しさやツヤも出てきます。
曲げわっぱ
最後に一つひとつを厳しい目で検品。たくさんの人の手を経て、ようやく商品が完成します。

製材や曲げ、乾燥、底入れなど、約10工程を経て完成する「大館曲げわっぱ」。特に重要なのは、熱湯で煮沸した熱い板を型に合わせて素早く丸める「曲げ」の作業です。実際の様子を見せてもらうと、まばたきができないほどの速さ! 現在、「曲げ」に従事する職人は3名。1日で300〜400個も作ることがあるそう。

オンリーワンの器が新登場!

曲げわっぱ
日々の食卓に馴染むカップやボウル、トレーが登場。ギフトにもピッタリ!
Blanc Pa
一つひとつグラデーションが異なるため、それぞれにエディションナンバーが印字されています。

「大館工芸社」では2月から、新ブランド「Blanc Pa(ブランパ)」を展開しています。一つひとつの商品で木目の赤い部分と白い部分のグラデーションが異なる、オンリーワンの特別な器。その秘密は、通常は使用しない丸太の外側の若くて白い部分・シラタを活かしていることです。これまで「規格外」とされていたシラタをどうにか有効活用できないかと、研究と試作を重ねてできた「Blanc Pa」。貴重な資源を無駄なく使った、サスティナブルな視点がうれしいですね。毎日の食卓に取り入れてほしいと、パン皿やデザート皿として幅広く使えるディッシュや、スープを入れたり丼にしても◎の「ボウル」などをラインアップ。杉本来の個性から生まれた美しいグラデーションの器は、食卓を華やかにしてくれます。

意外と(?)手入れがラクラク♪

小判弁当
あきおとつがにゃんあきおとつがにゃん
一番人気の「小判弁当(中)」9,800円。木ならではの温かみが感じられ、丸いフォルムがしっくりと手に馴染みます。

「人気の弁当箱を使ってみたいけれど、手入れが大変そう…。」と思っていませんか? 「大館工芸社」で作っているほとんどの商品には、水を防ぎながらも湿気は通す特殊なウレタン塗装を施しています。油染みや色移りの心配不要で、中性洗剤とスポンジで水洗いできますよ。汚れや傷みが出た場合は、修理も可能なので、気軽に相談してみてください。

データ

大館工芸社
  • 大館工芸社
  • 住所:秋田県大館市釈迦内字家後29-15
  • TEL:0186-48-7700
  • 時間:8:30〜17:00(ショールーム営業)
  • 休業日:土曜(不定休)・日曜・祝日
  • 駐車場:あり
  • URL:http://www.magewappa.co.jp/

長い伝統を持つ「大館曲げわっぱ」。一瞬で形を決める職人技に惚れ惚れしちゃいます。若い職人を育てたり、時代に合わせた新ブランドを展開したりと、次の時代へ継承していく姿が印象的でした。そして意外だったのが手入れのしやすさ!伝統的工芸品と聞くとハードルの高さを感じてしまいがちですが、毎日でも使ってみたくなりました。

記事作成:あきたタウン情報

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