写真映え!!白神山地オススメトレッキングコース(青森編)写真映え!!白神山地オススメトレッキングコース(青森編)

爽快なブナ林や渓流を体感しながら壮大な滝を眺める絶好の散策路

世界自然遺産の核心部(コアエリア)と同様のブナ林を歩き、渓流や滝を間近に眺める変化に富んだコースで大自然を感じる事ができます。特に「暗門の滝」は、かつてはマタギだけが足を踏み入れていたところだけに、感動的な光景が待ち受けています。 ガイドの方と一緒に歩けば山や森のことをいろいろ教えてくれるのでおススメです。 今回は白神マタギ舎の小池幸雄(こいけ ゆきお)さんに案内していただきました! 小池さんは神奈川県生まれで1988年に弘前大学に入学。探検部でマタギの伝統文化に魅了されて移住し、白神山地世界遺産地域巡視員として活躍しています。

森の生態系を肌で感じ取れる「世界遺産の径 ブナ林散策道」

小池幸雄さん
森を案内する中で動物や植物のほかに、マタギの知識を交えて話してくれる小池さん。
石脇地区の井戸
クマがかじった跡
クマがかじった跡。
白神山地の標識は高確率でクマにかじられているとのことでした。

世界遺産登録地域内に設置された遊歩道で、春から秋までブナ林を気軽に体感することができ、季節によっても楽しみ方が変わります。距離によっていくつかのコースがあるので体力に応じて選ぶことができます。さらに、ガイドと一緒に周るとブナ林のことはもちろん、動物や植物など見どころを教えてもらいながら周れます。例えば、「ブナの実が豊作の時は斜面の小さな穴に住んでいる夜行性のアカネズミが増えて、捕食するタヌキなどの肉食動物も動きまわります。」といった話をしてくれるので、散策がより楽しくなります。
また、小池さんは「世界最大といわれるブナの森と森に育まれたマタギ文化や生態系などを見ていただきたいです。」とも話します。

森の中には自然の恵みがいっぱい!

ゼンマイ
成長したゼンマイ。
サルナシの実
あきおとつがにゃんあきおとつがにゃん
2~3cmほどのサルナシの実。
まるでキウイフルーツのよう。
ブナの実
クルミのような味がするブナの実は森の動物を支える命の実です。
秋になると熊などの動物たちは冬眠の前にしっかり栄養補給をします。
ニホンザル
木に登るニホンザル。
運が良ければ会えるかもしれません!

ブナ林を歩く道中には様々な木の実や山菜を見ることができ、季節によって様変わりします。ガイドの小池さんは一つ一つ丁寧に説明してくれるので新たな発見がいっぱいです!
他にも生息している動物の形跡を見ることができるのでブナから始まる森の様々な生態系を観察することができ、ガイドの小池さん曰く「白神山地は生息する動物の種類は多くて、カモシカ、アナグマ、テン、ネズミ、ヤマネなどのいろいろな動物にあうことができます。一番多く会えるのはニホンザルです。あとは鳥類も多いです」とのこと。
散策中には成長したゼンマイが。山菜は、夏以降になると木のようになり食べられません。つい見過ごしがちですが、小池さんと歩くと説明して触らせてくれます。
2~3cmほどのサルナシの実は、鳥や動物たちも大好きです。食べごろは9月下旬~11月上旬。甘酸っぱく、まるでキウイフルーツのようです。サルの好物の梨に似ていることからサルナシと名付けられたとも言われています。山中でサルナシを見つけるのはとても難しいので案内人と一緒に歩くといいですね。

迫力の景観「暗門の滝」

暗門第3の滝
暗門第3の滝
暗門第2の滝
暗門第2の滝
暗門第1の滝
暗門第1の滝
小池さん
写真を見せながら野鳥について教えてくれる小池さん。
「シノリガモは深い渓流で夏場にして子育てします。それは1976年に白神山地で初めて分かりました。上の写真はオス。メスに対して“こんなにきれいで目立っても自分は襲われずにいるぞ”という強さをアピールしています。でも、つがいになって、子どもが生まれると下の写真のメスのように地味な色になります。」

世界遺産の径 ブナ林散策道には途中で分岐点があり、奥へ続く道を行くと白神山地のブナ林から湧き出す清水が流れ落ちる3つの滝があります。それらは「暗門の滝」として、人気のスポットです。
落差がそれぞれ「第3の滝」は約26m、「第2の滝」が約37m、さらに奥の「第1の滝」はは約42mという3つの滝があり、圧倒的な滝の迫力を体感できるのも魅力のひとつ!
暗門の滝は世界遺産地域内にあり、滝へ向かう歩道すべてが世界遺産・緩衝地域(バッファゾーン)の中です。訪れる人も多いので白神本来の静けさを求めるなら朝方がおすすめです。
また、暗門の滝一帯は、けわしい岸壁に囲まれ、ブナや松などの老樹が生い茂っています。かつては、マタギだけしか入らなかったというほどの渓谷です。それだけに素晴らしい景色を堪能できます。第2の滝までは、川の横断などの為に簡易な歩み板を設置し通行しやすいように整備しています。第2~第1の滝までは上級者向けの登山ルートになっており、通行届が必要です。西目屋村では、ガイド同行を強く推奨しています。また、ヘルメット着用もお願いしており、100円でレンタルしています。
世界遺産の径ブナ林散策道経由で暗門渓谷ルートを通行する場合も「通行届」が必要です。
アクアグリーンビレッジANMONから第3の滝まで往復徒歩で約90分、第2の滝まで往復徒歩で約120分、第1の滝まで往復徒歩で約150分~180分です。
※11月上旬~5月下旬は冬季閉鎖の為、通行不可となっています。

雄大な山々を見渡す絶景スポット「津軽峠」

津軽峠
駐車場からすぐに見える津軽峠からの眺望は圧巻です!
マザーツリー
あきたこまちちゃんあきたこまちちゃん
折れてもなお生き続ける「マザーツリー」
小池さん
「ブナは癒しの森なのでコロナで疲れた心をぜひ癒していただきたい」とのことでした。

西目屋村と鯵ヶ沢町の境にある「津軽峠」。
標高約650mから、向白神岳や天狗岳などの山々を一望できます。
近くには「マザーツリー」の愛称で親しまれる、推定樹齢400年以上のブナの巨木があります。2018年に台風の影響で幹が折れてしまいましたが、驚異的な生命力で、今もなお残った幹から緑が芽吹いてたくましい生命力を感じさせてくれます。

データ

  • お問い合わせ:アクアグリーンビレッジANMON
  • 住所:青森県中津軽郡西目屋村川原平大川添417
  • TEL:0172-85-3021
  • URL:https://www.anmon-shirakami.com/

縄文時代から変わらずに守られてきたブナ森の様子を体感し、人気のスポット暗門の滝の雄大さに感嘆します。ブナ林で心も体ものんびりと癒し、ブナ林から沸き出す清水を充分に楽しんでください。思い出に残る旅が待っています。

記事作成:マゼンタ(株)

※本記事はブナの学校運営協議会の企画で制作しております。

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