齋彌酒造店はJR羽後本荘駅から、徒歩約20分、または、由利本荘市循環バスに乗り最寄りの桶屋町停留所から徒歩約6分のところにあります。
藩政時代には旧亀田藩の物流拠点として栄えたこの地域は湧水の豊富な場所でもあり、現在でも「酒蔵」「味噌醤油醸造元」「うどん製造元」「菓子屋」が立ち並んでいます。
街中には井戸も多数残っていて、湧水が生活に定着してきたことが実感できます。
秋田県の南に位置する由利・鳥海エリア。鳥海山から日本海へ流れる子吉川の河口にほど近い由利本荘市石脇地区は、古くから豊かな湧水に恵まれ醸造業が栄えました。今回はその中から、酵母の自家培養など、こだわりの酒造りを行う「齋彌酒蔵店」をご紹介します。
齋彌酒造店はJR羽後本荘駅から、徒歩約20分、または、由利本荘市循環バスに乗り最寄りの桶屋町停留所から徒歩約6分のところにあります。
藩政時代には旧亀田藩の物流拠点として栄えたこの地域は湧水の豊富な場所でもあり、現在でも「酒蔵」「味噌醤油醸造元」「うどん製造元」「菓子屋」が立ち並んでいます。
街中には井戸も多数残っていて、湧水が生活に定着してきたことが実感できます。
齋彌酒造店は、明治35年(1902年)に旧本荘町の町長でもあった齋藤彌太郎さんが創業しました。社名になっている「齋彌」は、創業者の名前に由来してつけられたものです。
創業当時のまま残る住宅・店舗・蔵など11棟は国登録有形文化財に指定されており、特に道路に面した店舗は、2階に洋風デザインを取り入れた独特な意匠が目を引きます。
齋彌酒造店の酒造りのポイントは三つの「無い」にあります。それは「櫂入れしない」「濾過しない」「割水しない」ということです。
「櫂入れ」とは酒母や醪(もろみ)などの材料(水と麹と蒸米)をかき混ぜることで、一般的には発酵作用の調整などのために行われます。それを行わず、酵母の働きだけで長い時間をかけてじっくり醸されたお酒には、まろやかで豊かな風味が生まれます。また、仕上げに水を足し、アルコール度数や味わいを調整する「割水」や「濾過」をしないことで、お酒がもつ本来の旨味や味わいを感じることができます。
こうして造られる齋彌酒造店の日本酒は、自然な味わいを楽しむことができます。
酒造りのこだわりについて、齋彌酒蔵店 製造部次長 照井 實(みのる)さんにお話を伺いました。
「全国にはたくさんの酒蔵があり、それぞれに個性があります。齋彌酒蔵店のある由利本荘市石脇地区は豊富な湧水と港町として栄えた歴史や文化があり、それを活かした酒造りを心掛けています。そして、色々な銘柄のお酒を楽しんだお客様が『やっぱり齋彌酒蔵店の雪の茅舎だな』と感じてもらえるようなお酒を造ることが目標です。
今年は酒米も順調に育って酵母や麹菌との相性もよく、できた酒はとても味わい深く仕上がり、楽しんでいただけると思います。
まだ酒造りは続きますので蔵人一同、力を合わせて頑張ります。」
冬から春にかけて、多くの酒蔵で新酒が造られています。ここで、齋彌酒造店おススメのお酒を、左からコメントを添えてご紹介します!
・雪の茅舎 秘伝山廃 山廃純米吟醸 生酒
伝統の技、山廃仕込みによる華やいだ香りときめ細やかな味は通好みの一品です。控えめな香りながらコクのある味わいは、長く喉越しの余韻をお楽しみいただけます。
(税込 1.8l¥3,740 720ml ¥1,870)
・雪の茅舎 純米吟醸 生酒
ふくよかで上品な喉越しとほどよい香りが生きています。果実を想わせる爽やかな香りと淡雪が溶けてゆくような、スッキリした味わいのお酒です。
(税込 1.8l ¥3,080 720ml ¥1,650)
・雪の茅舎 山廃純米 生酒
幅のある味わいと切れ味の良さで飲みあきしないお酒です。しっかりした米の旨みを醸しながら、いつまでも飲み続けられる、キレのある味わいが楽しめます。
(税込 1.8l ¥2,530 720ml ¥1,320)
齋彌酒造店は、2019年7月に道路向かいの古民家をリノベーションし、カフェ「発酵小路 田屋」をオープンしました。
以前から齋彌酒造店では酒蔵見学を行っており(現在は休止中)、全国からたくさんの方が訪れていました。
その際、「食事が楽しめる場所、お土産が買える場所はどちらですか?」と聞かれることが多かったそうです。最初は近くの飲食店などを紹介していたのですが、次第に自分たちで何かできないか考えるようになりました。そんな折、道路向かいにあった空き家のご家族から、有効活用できないかと相談がありました。そこで、その古民家を買い上げて改装し、カフェとショップを併設する発酵複合施設として二年前に生まれ変わりました。
「田屋」の由来は感謝の気持ちを忘れないよう、こちらにお住まいだった方の名前の一字から「田」と、酒造業には「酒米」を育てるために田んぼは切っても切れない関係があることから、その二つをかけて「田屋」と名付けられました。
その名のとおり、カフェのメニューすべてに発酵が関係していて、地元の特産品を使った逸品が揃っています。その中から、スタッフのおススメの酒粕や米麹を使ったメニューを紹介します。
●おススメのメニュー(価格:税込)
厚切りトーストと塩こうじのローストチキン ¥930
由利牛カツレツのパニーノ ¥1,430
クリーム本荘うどん(サラダ付き) ¥1,100
大吟醸ソフトあま酒 ¥500
カフェに隣接するショップでは、地元の特産品や日本酒などを取り扱っております。こだわりの日本酒のほかお気に入りの特産品を探しに、是非お立ち寄りください。
長い時間をかけたこだわりの日本酒造りを行う「齋彌酒蔵店」。おススメの日本酒に出会えるだけでなく、隣接するカフェでは、発酵の魅力が溢れるメニューを味わうことができます。自然が生み出す旨味や味わいを、是非感じてみてください!
記事作成:JR東日本秋田支社