冬に輝く満開の桜とは…?? 逆転の発想から生まれた「冬に咲くさくら」冬に輝く満開の桜とは…?? 逆転の発想から生まれた「冬に咲くさくら」

桜の名所 青森県・弘前市で生まれた心トキメク冬の観光スポット

2017年から始まった、「冬に咲くさくらライトアップ」。主催者の思いが込められた冬の桜は、試行錯誤を重ね、年々美しくなっています。冬の弘前を盛り上げる、観光コンテンツをご紹介します。

冬に咲く満開の桜「冬に咲くさくらライトアップ」

冬に咲くさくら
つがにゃんつがにゃん
冬に咲くさくらの様子
米山さん
冬に咲くさくらライトアップ実行委員会代表の米山さん

みちのく三大桜の一つとして名高い青森県・弘前市の桜は、例年4月下旬から5月上旬にかけて美しく咲き誇ります。
弘前市と言えば、「春の桜」、「夏のねぷた」と、春夏の印象が強いですが、近頃は冬にも春の光景を思わせるような美しい桜を見ることができます。それが「冬に咲くさくらライトアップ」です。今回は冬に咲くさくらライトアップ実行委員会代表の米山さんから色々と教えていただきました。

MAP

© OpenStreetMap contributors
駐車場:弘前市役所 (7:00~21:30) 弘前市上白銀町1-1 (追手門そば)
※入庫後1時間無料
※ライトアップ終了間際の21:30以降は出庫できませんのでご注意ください
弘前市立観光館・地下駐車場 (24時間入出庫可)
青森県弘前市下白銀町2-1 (追手門・弘前市役所本庁舎そば)
※入庫後1時間無料 アウトエア元大工町 (24時間入出庫可)
青森県弘前市元大工町2 (追手門・弘前市役所本庁舎近く)
※新型コロナウイルスの感染拡大など、やむを得ない事象が発生した場合は期間短縮や中止といった対応をとる可能性があります。

【冬に咲く桜ライトアップ】
日時:2022年2月28日(月)まで毎日、日没~22:00(予定)
会場:青森県弘前市「弘前公園 追手門付近」
観覧料:無料
範囲:弘前公園外濠の一部。具体的には図の通り

冬に咲くさくらライトアップ始まりの写真
冬に咲くさくらライトアップ始まりの写真

Q1冬に咲くさくらライトアップを始めたきっかけは??
2021年度で5回目を迎えたこのプロジェクトは、1枚の写真から始まりました。2016年の2月、真冬の弘前公園外濠にピンクがかった街灯がうっすら当たる場所があることに気づき、カメラを向けてみました。すると、こんもりと雪が積もった桜の木に外灯の薄いピンクが映り、まるで春の桜を撮影したかのような写真になりました。この写真を地元の友人に見せると、見慣れた桜なのに予想以上に面白がってくれました。その後、SNSに投稿すると「うわっ、すごく綺麗なさくらですね!」「これ、春でしょ?…えっ、冬なの??」と前向きな反応をいただきました。これがライトアップのきっかけです。
弘前はなんといっても桜と夏の祭りのイメージが強い分、冬の観光には伸びしろがあると感じていました。このライトアップで、何とか盛り上げられればと思い、賛同してくれる仲間を集めて、プロジェクトを立ち上げました。

枝に雪が降る前の写真
枝に雪が降る前の写真
満開の冬桜
満開の冬桜
冬桜
あきたこまちちゃんあきたこまちちゃん

Q2結果が気になります!来場者数は??
弘前城雪燈籠まつりの期間に併せて実施していますので、新型コロナウイルス感染症が流行する前だと、2019年は約26万人。2021年は約4万人が来てくれたと思います。
雪燈籠まつりの中でも大きなコンテンツのひとつとして扱っていただいています。
※弘前城雪燈籠まつり……
昭和52(1977)年にスタートした、「みちのく五大雪まつり」のひとつ。約150基に及ぶ大小様々な雪燈籠は、市民の手作りで制作されており、長くて辛い北国の冬を楽しく演出しています。他にも、雪化粧した天守と老松のライトアップ、ローソクを灯したミニカマクラ約300基、大雪像や子どもたちに人気の大きな滑り台など老若男女が楽しめるコンテンツが盛りだくさん。
※2022年開催の「第46回弘前城雪燈籠まつり」は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて中止となりました。

弘前公園追手門の正面
弘前公園追手門の正面
冬桜

Q3お客さまの感想などで印象に残っていることは??
弘前にゆかりのある人から「弘前を盛り上げる活動をしてくれてありがとう」と言ってもらうことが多いですね。そんな言葉を聞くと、地道に活動を続けてきてよかったと思います。他には、「冬になるのが楽しみになった」と言ってくれた地元の人もいましたね。
若いカップルが楽しそうに写真を撮っているのを見るのもほっこりしました。知らないうちにデートスポットになっているのかもしれませんね。
「今年も実施するの?」と声をかけられることもあり、少しずつではありますが、弘前市で定着していると感じています。
SNSで1000件以上タグ付けをされていて、青森県外の方が撮影のために足を運んでくれる様子も拝見しています。

弘前の裁判所前
弘前の裁判所前
弘前市立観光館の追手門広場の上
弘前市立観光館の追手門広場の上

Q4ライトアップの見頃は??キレイに撮れるおススメの撮影スポットは??
桜の枝に雪が降り積もる天候の日は「満開」です。大粒の雪が降り、気温が低くなりすぎず、風も強くない。そんな日が一番の桜見日和です。弘前市の「弘前公園(追手門前)」のライブカメラや、青森テレビのライブカメラも見ていただくと、当日の桜の様子が分かります。ライブカメラでは、木々がピンク色に染まっていると「満開だな!」と思います。
おススメの撮影スポットは、弘前公園追手門の正面、弘前の裁判所前、弘前市立観光館の追手門広場にある市のマスコット「たか丸くん」の横です。他にもSNSで投稿されているアングルを参考にするのもいいかと思います。

ポストカード・フォトブック・オリジナル金魚ねぷた・こぎん模様入りマスク
ポストカード・フォトブック・オリジナル金魚ねぷた・こぎん模様入りマスク(2020年度リターンの一部)

Q5軌道に乗るまでの課題や大変だったことは??
一番の課題は資金調達でした。プロジェクトを盛り上げるために、資金調達とともに成功の喜びを一緒に分かち合えるクラウドファンディングを選びました。
プロジェクトを実施する前に、主催者の思いを皆さんに届けることで多くの支援をいただくことができました。
クラウドファンディングを行ったことで、プロジェクト自体がちょっとずつ愛される存在になっていると感じることが多くなりました。地元紙での紹介、弘前市内外の方から直接応援の言葉をいただくなど、周りに助けられていることを再認識しました。
支援をいただいている方は、青森県在住者だけではなく、青森県出身者で県外在住の方、青森県と全く縁のない方もいます。県外在住の方で青森県を大切にしてくれている方々にも青森県のリターンを送りたくて、クラウドファンディングを続けているところもあります。オリジナル金魚ねぷたなど地元の工芸品も魅力的ですよ。
毎年手を変え品を変え、こだわってリターンを検討しています。

ライトアップの実施にご協力いただいているみなさん
ライトアップの実施にご協力いただいているみなさん

Q6今年の見所は??
弘前公園追手門周辺のLED投光器27台をフルカラーLED投光器に置き換え、淡いピンク、濃いピンク、白、に色を切り替えることで、ピンク色をグラデーションで見ることができます。弘前の桜に近いきれいな色からスマートフォンで映える濃い色まで楽しむことができるのがポイントです。
歩道にも黄色のライトを設置して安全性を高めつつ、ピンクと黄色の映える組み合わせの桜を撮影することもできます。

Q7プロジェクトのメンバーとの関わりは??
メンバーは他業種の方が集まっているので、私が知らないことも知っています。困ったときはお互いに助け合いながら、活動を進めています。ほぼ毎日ライトアップの状態をチェックしてくれているメンバーもいて、いつも感謝しています。
工事業者方は「同じピンクでもこの色のほうが写真映えする」とライトの照らし方を教えてくれ、専門家ならではの視点で手厚いサポートをしてくれます。
もちろん、リターンを制作してくれる皆さんにも大変感謝しています。例えば、ライトアップの照らし方一つでも、アイデアは1人で思いついても、多くの方の助けがないと行動を起こして実現まで達成できないということを改めて教えてもらいました。

桜ライトアップ
あきおとつがにゃんあきおとつがにゃん

Q8今後の意気込みをどうぞ!!
今後はライトアップできる範囲を広げて、より多くのお客さまへ「冬に咲くさくら」を楽しんでいただけるように試行錯誤していきます。
地元の方にも冬の弘前観光を楽しむきっかけにしてもらえるように情報発信も続けていきます。
今後も応援よろしくお願いします。

1枚の写真がきっかけで始まった、弘前市の冬の観光を盛り上げる「冬に咲くさくらライトアップ」。代表の米山さんは、「弘前市の観光に貢献したかった。何かできることをしたいと思っていた」と話してくれました。地元の方々などに応援されて、5年間運営してきた「冬に咲くさくらライトアップ」は2022年2月末まで実施しています。
みなさんも大切な人と一緒に、冬に咲く「さくら」を見に足を運んでみてはいかがでしょうか。

写真提供:冬に咲くさくらライトアップ実行委員会

記事作成:JR東日本秋田支社

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