秋田、宮城、山形をまたぐ山懐に抱かれ、秋田県最古の温泉地と伝えられる秋の宮温泉郷。古くから多くの著名人に愛されてきた旅館「稲住(いなずみ)温泉」は、2014年に惜しまれつつ閉館しましたが、2019年秋に新たな大人の宿としてよみがえりました。
“身体を癒やす”という本来の目的に適した、数多くの泉質の温泉や温泉郷が点在している秋田。地域に密着したこだわりの温泉宿として長年多くの人々に利用されてきた、注目の温泉宿3軒を紹介します。
秋田、宮城、山形をまたぐ山懐に抱かれ、秋田県最古の温泉地と伝えられる秋の宮温泉郷。古くから多くの著名人に愛されてきた旅館「稲住(いなずみ)温泉」は、2014年に惜しまれつつ閉館しましたが、2019年秋に新たな大人の宿としてよみがえりました。
長い歴史の中で老朽化した部分を全面的に改修。館内の至るところに、これまで長い時間をかけて収集してきた数々の絵画や美術品が配されています。
木の温もりと、和モダンを基調とする洗練された造りの客室に、気持ちがほっこりと和みます。中でも離れ「天の坐」と名付けられた4つの客室は、専用の源泉を引き込んだ露天風呂と檜内風呂を備え、快適さと、昔ながらの日本建築の良さが持つ落ち着いた雰囲気が魅力的です。
湯量が豊富なうえ、宿それぞれに源泉を持つのが秋の宮温泉郷の特徴。2種の自家源泉を持つ稲住温泉は、その魅力が存分に感じられます。肌をさらりと伝うやわらかなお湯に癒やされながら、大浴場から望む四季折々の自然美は圧巻!眼下の清流のせせらぎに耳を澄ませば、いつしか身も心も解きほぐされます。
食事も旅の大きな楽しみです。温泉にゆるりと浸かった後は、秋田の旬菜をふんだんに盛り込んだ和食会席に、県内の地酒をお好みで。締めの一皿まで思い出に残るひとときです。
秘湯・名湯が点在する湯沢市の中でも、歴史のある小安峡温泉。当代で12代目という小安峡きっての長い歴史を持つ「旅館 多郎兵衛」は、温泉に定評があります。
源泉掛け流しの自慢の温泉は男女ともに大浴場、露天風呂、変わり風呂、離れの湯などがあり、特に大浴場は老舗旅館の風格に溢れています。湯あたりがやさしく柔らかな単純泉は温浴効果が期待でき、身体の芯まであったか!
女将自ら腕を振るう料理も、長年愛される理由のひとつ。できるだけ手間暇かけた料理の提供を心がけているそうで、春は山菜、夏は自家栽培の夏野菜、秋冬はキノコや新米などが登場。自家製の漬物も評判が高く、秋冬は旨みたっぷりのきりたんぽ鍋やいものこ汁も楽しみです♪
温泉好きに「一度は訪れたい」と言われている乳頭温泉郷。最も古い歴史を持つ「鶴の湯温泉」は、天然の庭園であるかのような深い森に佇む、全国的にも名高い秘湯宿です。江戸時代に建てられた「本陣」と呼ばれる茅葺き屋根の長屋を通り抜けると温泉棟が現れ、非日常感がぐんと高まります。
お目当ては、なんといっても乳白色の露天風呂。四季折々の自然の景色を目の前に広々とした浴槽に入れば、圧倒的な開放感を感じられるのです。白湯・黒湯・滝の湯(夏季限定)・中の湯の4つの異なる源泉からなる湯船が、夏は9つ、冬は8つあり、お湯の色や肌触りの違いが楽しめます。
宿泊棟はなんとなく懐かしさを覚える、昔話のような雰囲気。古風な木造の一号館、湯治場の雰囲気を残す二号・三号館、高級感のある新本陣・東本陣とさまざまな客室から選べます。
鶴の湯温泉では、名物「山の芋鍋」をはじめとした山ならではの料理を堪能できます。日帰りランチで味わえる「A定食」1人前・1,800円(税込)は、岩魚塩焼き、山の芋鍋、小鉢3品、ご飯、漬物がセット(「山の芋鍋」単品は800円〈税込〉)。
しっとりと肌を潤す湯や、身体を芯まで温める湯、とろりと優しく包み込む湯。心と体を癒やすヒントは温泉にあるのかもしれません。思い出を色濃くするおもてなしの数々もポイント! 秋田の名湯・秘湯の魅力を体験しに、出かけてみましょう。
記事作成:あきたタウン情報