津軽のいろいろ まさにりんご愛! 森の日常に溢れたりんごたち津軽のいろいろ まさにりんご愛! 森の日常に溢れたりんごたち

温泉にまつわる青森の面白い文化と、変わり種温泉を紹介!

青森県と言えば、りんご!・・・だけではありません。実は、知る人ぞ知る温泉の楽園でもあります。
厚生労働省がまとめた調査結果によると、人口10万人あたりの公衆浴場数は「23.7カ所」で全国最多!全国平均は2.9カ所なので、いかに公衆浴場の数が多いのかが分かります。さらに、20カ所を超えるのは青森県だけ!
温泉が多いから温泉好きな県民が多いのか?温泉好きな県民が多いから温泉が多いのか?まさに、鶏が先か卵が先か状態で、とても気になるところですが・・・、今回は、青森県の温泉文化と津軽地域の珍しい温泉を紹介します!

青森の面白い温泉文化その1、車には温泉セットを常備?!

青森県民はいつでも温泉に入れるように、車に温泉セットを常備している光景をよく目にします。突然やってくる「あ、温泉行きたい…」という衝動に駆られたときでもすぐに行けるように車のトランクには温泉セットを常備!

シャンプー、リンス、ボディーソープ、洗顔料、歯ブラシ、スキンケアセット
いつでも温泉に行けるね!いつでも温泉に行けるね!
シャンプー、リンス、ボディーソープ、これだけあればOK!筆者は、追加で洗顔料、歯ブラシ、スキンケアセットもあります。

青森の冬は12月に入ると一気に本格化します。特に津軽地域周辺では一晩で1メートル近く雪が積もることもしばしば。寒い中での除雪作業は手足・顔を冷やします。そんなときは温泉に浸かって体の芯から温まりたくなりますよね。
疲れた身体を癒すため、農作業後にはそのまま軽トラックで温泉へ向かう農家さんもよく目にします。いつも同じ時間にいる温泉仲間との会話を楽しむことも、青森ならではなのかもしれません。

青森の面白い温泉文化その2、朝5時ごろから温泉が空いている?!

青森では朝5時ごろから営業開始する温泉もあります。朝6~7時ともなると約過半数の温泉が営業を始めているそうです。青森の公共浴場は「銭湯」ではなく「温泉」の数が多いため、お湯が自然に湧き出ています。そのため、お湯を沸かす必要がなく、あまり経費や手間がかからないため長時間の営業ができているのかもしれません。

朝湯
通常の営業時間と別に「朝湯」の案内があります!早朝から営業する温泉がいくつも見られます。

朝早くにひと仕事を終えてきた漁師さんの疲れを癒すため、ほとんどの銭湯が朝早くから営業していたと言われている江戸時代の名残から、雪国青森でも雪かきをして疲れた体を癒すため早朝に営業しているなどと諸説あります。冷えた心と体を温めるため、温泉に行きたいという雪国で暮らす人の思いが、こうして青森の温泉文化として根付いているのでしょう。

青森でも珍しい、温泉に畳!弘前市嶽地区にある「山のホテル」

嶽地区の温泉のはじまりは江戸時代の1674(延宝2年)年までさかのぼります。岩木山の麓に源泉が発見されて以来、岩木山の自然の中にある湯治場として親しまれてきました。嶽地域の温泉施設の中でも伝統があり、現在、8代目となる山のホテルで楽しむことができる温泉畳を紹介します。

畳風呂
畳の香りもいいね〜畳の香りもいいね〜
津軽地域ではよく見られる「トド寝」。「トド寝」とは、繰り返し湯船に入って温まり、出て体を休めることを言います。畳風呂はまさにトド寝にもってこい!な温泉。畳の上で寝転がれるので、体も痛めず温泉を楽しむことができます。
山のホテル 赤石香織さん
山のホテル 赤石香織さん(左)

山のホテル 赤石香織さんにお話を伺いました。
2020年の3月から畳を敷き始めましたが、きっかけはちょっとした遊び心からだったそうです。東京オリンピックが開催されるということで外国人に「日本らしさ」を感じてもえるのでは?と思い、青森ヒバで作られた浴槽を縁取るように、設置しました。
県内外から多くの常連さんが訪れる山のホテル。宿泊者は事前予約(有料)での温泉貸切りができるので、長時間ゆっくり過ごされる方に人気があるそうです。最近では、赤ちゃんや小さなお子さまと一緒にお風呂へ入ることができるのも人気なポイントです。
大変なのは畳の管理。畳は水に強い特殊な素材でできていますが、浴槽の清掃時にはすべての畳を起こしてカビが発生しないよう毎日乾燥させています。天然青森ヒバの癒される香りと、畳の優しい香り、温泉のひなびた雰囲気の相乗効果で、さらに安らぐことができます。
現在は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きいようですが、お客様の温かいメッセージに励まされているそうです。「若い方にも山のホテルならではの落ち着いた雰囲気を堪能してもらいたいので、ご満足いただけるようにこれからも頑張って乗り越えていきたい!」と、赤石さんは話します。

データ

山のホテル
  • 山のホテル
  • 住所:〒036-1345 青森県弘前市大字常盤野字湯ノ沢19(弘前駅より無料送迎バスあり:要予約)
  • 電話番号:0172-83-2329 (代表)
  • 営業時間:日帰り温泉11:00~15:00(最終入場受付)
  • 宿泊客貸し切り温泉12:00~、13:00~、14:00~(予約で貸し切り可能)
  • 衛生対策:男女ともに3名以内・1時間以内の入浴制限あり、など

エメラルドグリーン色が神秘的!平川市にある「新屋あらや温泉」

弘前駅から車で約20分にある新屋温泉。こちらではまるでエメラルドの宝石のような色の温泉が楽しめます。透き通るような薄い緑色のときもあれば、濃い緑色を放つときもある、不思議な新屋温泉をご紹介します。

新屋温泉
不思議な温泉だね!不思議な温泉だね!
浴槽真ん中から湧き出る源泉は透明ですが、たっぷりと溜まったお湯は神秘的なエメラルドグリーン色をしています。

新屋温泉の丹代清春さんにお話を伺いました。
お湯がエメラルドグリーンに輝く理由は、はっきりと分かっていないそうです。新屋温泉は主な三大成分として、硫黄・メタケイ酸・二酸化炭素(炭酸)が含まれています。硫黄の色素は黄色、メタケイ酸の色素は青色、二酸化炭素(炭酸)の成分が黄色で、この3つが混じり合うことで、エメラルドグリーンになると考えられています。
エメラルドグリーンになるのは午後3時以降。午前はまだ白濁色をしているのだそうです。白濁色のときのお湯の温度は約38℃。エメラルドグリーン色のときのお湯の温度は約40.2~3℃で、お湯の温度も色が変化する理由の一つと考えられています。
他にも、開店して徐々に入浴者数が増えていくことで、微妙にお湯の温度が変わったり、空気が混ざったり、天気や太陽の光が差し込んだり、様々な条件が揃ったときにエメラルドグリーン色を見ることができます。
丹代さんは、「アットホームな温泉を目指している」と話します。取材中に来店されたお客様の受付のやり取りを見ていると、まるでお客様に”おかえりなさい”と迎える家族のような温かさが感じられます。
「さっきエメラルドグリーン色になったよ!」という会話も聞こえ、心がほっこりします。
同じ源泉の温泉にも関わらず、男女で温泉の色が違うこともしばしば。
今日の新屋温泉は何色でしたか?

データ

新屋温泉
  • 新屋温泉
  • 住所:〒036-0121 青森県平川市新屋平野84-14
  • 電話番号:0172-44-8767
  • 営業時間:朝湯 5:00~7:30(4月~11月のみ)
  • 通常 7:30~21:30
  • 衛生対策:体調不良の方の入場制限、定期的な換気、など

雪国青森ならではの温泉文化や、珍しい温泉など、青森にはまだまだ温泉ストーリーがあります。旅行や観光で青森を訪れるときには、青森にしかない、青森ならではの温泉を楽しんでみてはいかが?

記事作成:株式会社コンシス

青森ならではの温泉に行こう!
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