全国的に知名度が高いナマハゲは荒々しい大声と形相などから、人々に恐怖を与える「鬼」と捉えられています。しかし、大晦日の夜に山から来るナマハゲは、旧年の罪穢れを祓い潔め、新年の幸多き前途を祝福してくれる神様として、里人に信仰されてきました。そんなナマハゲ文化を肌で感じられる酒場が、秋田市にあります。
秋田といえば浮かぶものランキングの代表格、「ナマハゲ」。その習わしを体験できるスポットがあるって本当!?今回は、県外の友人や秋田初上陸の方にをオススメしたい場所として地元民にも人気のお店を紹介します。
全国的に知名度が高いナマハゲは荒々しい大声と形相などから、人々に恐怖を与える「鬼」と捉えられています。しかし、大晦日の夜に山から来るナマハゲは、旧年の罪穢れを祓い潔め、新年の幸多き前途を祝福してくれる神様として、里人に信仰されてきました。そんなナマハゲ文化を肌で感じられる酒場が、秋田市にあります。
秋田駅西口から徒歩3分圏内、小路の角にある「秋田長屋酒場 秋田駅前大きなナマハゲが目印店」は、ナマハゲ文化の魅力をたっぷり楽しめる居酒屋です。外壁に赤・青の大きなナマハゲの面が掲げられ、夏の風物詩「秋田竿燈まつり」で使われる提灯とともに、お客様を温かくお迎えします。
このお店では、19:00〜21:00の間にナマハゲが酒席に参加するサービスが人気で、来店客をトリコにしています。なんと、大晦日の夜の行事を再現してくれるんです! 仄暗い行灯の光の中で雷鳴が響いて雪が舞い…、その瞬間は突然訪れます。
お店に出現するナマハゲは、大晦日の夜の家中を暴れ回る迫力で、御幣を持ち「悪い子はいねが~、怠け者はいねが~」と大声を上げて各座席をまわります。そして良い塩梅で口上を披露するのですが、記念撮影にも快く応えてくれるのです。「神」だからこその紳士的な振る舞いに感動!
なまはげとのふれあいが楽しめるこのお店には、ほかにも古来の文化を楽しめる魅力がいっぱい。入口は元の茶室扉で、主従関係が強かった戦国時代、〈茶室の中ではすべての人が平等〉ということを示すために低くしたとか。そこに由来し、お店の中では「みな平等」ということで入口に取り入れたそうです。
店舗は2階建て。囲炉裏を囲むカウンター席や、個室の座敷席(〜10席)、大広間の座敷席などがあり、昔の商家の雰囲気を再現しています。豆電球や行灯の明かりが灯り、風情満点。特にカウンター席は、囲炉裏前に座る大旦那から秋田にまつわる小噺が聞けることでも人気です。
カウンターは特等席。「秋田の言葉っこ、わかりますか?」とやさしく話しかける大旦那が、囲炉裏で季節野菜を焼いたり味噌汁を振る舞います。そんな様子に見入ったり、話に耳を傾けていると、市場で落札した新鮮な魚介や野菜を持って行商が座席をまわり、秋田弁で食材を説明。好みの調理法で料理を提供してくれるのも楽しみのひとつです。
メニュー表には、いぶりがっこ、寿司はたはた、きりたんぽ味噌田楽といった秋田の郷土料理はもちろん、火鉢や炭火焼で焼く料理、創作料理などがズラリ。その数なんと150種類以上!行商による〈本日のおすすめ〉と合わせて楽しめます。
人気は、なんといってもきりたんぽ鍋。お店のコース料理にも登場する名物メニューです。比内地鶏のダシに、昔ながらの手法で焼き上げた大きい「たんぽ」(炊きたてご飯をすりつぶし、長い秋田杉の串にちくわ状に巻いて焼いたもの)、比内地鶏の肉や野菜類。グツグツと煮えたたんぽには、やさしい醤油味が染みています。
米どころ秋田に来たのなら、絶対ハズせないのが日本酒です。お店には県内の地酒が豊富に揃い、飲み比べを楽しめるお得なお好みセット(3種類〜)もオススメ。銘柄は「天の戸」や「千歳盛」が人気ですが、迷ったらぜひスタッフに相談を。
こちらも人気の料理「比内地鶏のくわ焼き」。鍬(くわ)に比内地鶏が!? というインパクト抜群の一品は、鍬に見立てた鉄板でアツアツの比内地鶏が提供されます。湯気とともに立ち上る香りは食欲をそそり、その場で削ってかける岩塩が素材の旨みを引き出す絶品。
店を出ると、笠を被ったスタッフがお客様の旅の無事を祈り、火打石で一人ひとりに打石をしてくれます。「お客様のご健康とご多幸をお祈りいたします」。帰りに打石をしてもらえたら、なんだか幸せが舞い込んできそう…♪
突然ナマハゲが現れたり、おいしい料理とお酒を愉しんでいたら、行商が食材を持って座席に来たり…。秋田のナマハゲ文化や食を楽しむエンタメ要素が満載のお店です。スタッフさんの秋田弁にも、心がほっこり。旅行や帰省の際に、ぜひ訪れてみてください。