TRAIN SUITE
四季島を支える想い

2018/06/29

Vol.22:

新津観光協会 事務局次長

近藤 雄二と、

新潟市秋葉区 産業振興課 商工観光係長

真田 俊之の想い

鉄道と花の町、新潟・新津で「TRAIN SUITE 四季島」を出迎える“子ども駅長”たちの明るく元気なおもてなし

「TRAIN SUITE 四季島」の3泊4日コースでは、旅の最終目的地として新潟を訪ねる。
列車が停車するのは、新潟県内の鉄道の要衝、新津駅。昭和40年代までは蒸気機関車の巨大基地としても栄えたこの駅からは、C57-180号機のけん引する「SLばんえつ物語」が発着する。
新津駅では地元の保育園児たちが“子ども駅長”を務め、お客さまにユリの花束をプレゼントする。
列車到着時、新津の駅舎には、子どもたちの元気な歓迎の声が響いている。

新津観光協会 事務局次長
近藤 雄二の想い

新津は、最盛期には蒸気機関車が60両、客車が400両以上集結していた鉄道の要衝として知られています。一時期は人口の四分の一が鉄道関連の仕事に携わっていたというほどで、現在も、新津〜会津若松間の磐越西線では「SLばんえつ物語」という蒸気機関車が運行されています。
その新津駅に「TRAIN SUITE 四季島」が停車することになり、新津ならではのお客さまのお出迎えを、と考えたアイデアが、鉄道の町、そしてもう一つの新津の特色である“花の町“をアピールすることでした。
新津では大正時代からチューリップの商業栽培が始まり、ユリの栽培も広がっていきました。特にアザレア、ボケ、シャクナゲなどの鉢花の生産量は全国でトップクラス。そんな事から「TRAIN SUITE 四季島」の優雅な世界観に合うユリの花の花束をお客さまにプレゼントしようということになりました。

ホームで駅長とともにお客さまを出迎えて花束を差し上げるのは、駅前にあるにいつ愛慈保育園代表の“子ども駅長”。さらに駅の外でも、ほかの園児やその親御さんをはじめ、地元の商店街や新津鉄道資料館、秋葉区役所、新津観光協会の職員など、大勢の方々が一緒に歓迎しています。
実は、以前私自身の娘がにいつ愛慈保育園に通っていたこともあり、旧知の園長先生に相談したところ、協力していただけることになったのです。
“子ども駅長”は毎回年長組から2〜3人が順番に選ばれ、開花前のユリの花束を一人一人のお客さまにお渡しします。とりわけ園児たちの祖父母の世代にあたるお客さまからは、感激の声をいただくことも多く、子どもたちも“駅長”になるのを楽しみにしています。
花束には、新津という土地を旅の美しい思い出として残していただきたいという私たちのメッセージが込められています。そして園児たちには“子ども駅長”を務めたことで、新津が鉄道の町であることを末永く心に刻んでもらいたい。花と鉄道、それが新津の誇りなのです。

新潟市秋葉区 産業振興課 商工観光係長
真田 俊之の想い

新津の町は、明治時代にまで遡ると、かつて石油の産地として栄えていました。その運搬のために鉄道が敷かれ、新津駅が開業されたという経緯があります。新津の町では羽越線、信越線、そして磐越西線の3線が交差しているのは、そんな歴史的背景があるのです。
またこの一帯は、信濃川の氾濫もあり稲作には向かず、しかし氾濫で土地が肥沃となり花卉栽培が発達したという歴史もありました。 お客さまが新津で降車されるのは旅の最終日の4日目。お渡しするユリの花はまだつぼみの状態のものです。帰宅された後に開花して、楽しかった旅を思い出していただきたいという願いが込められています。

元の子どもたちのお出迎えも好評です。ご自宅で開花したユリの写真を送ってくださるお客さまもいらっしゃり、そんな反響を私たちも大変うれしく励みに思っています。
新津では2011年から「鉄道」をキーワードにまちづくりをしていこうと、駅前商店街を「にいつ鉄道商店街」と名づけ、アーケードやシャッター、歩道に鉄道関連のデザインをあしらったり、オリジナルグッズを販売したりして町を盛り上げてきました。 「TRAIN SUITE 四季島」が新津に停車することが決まり、地域をあげてお客さまのお出迎えをしようということになったときも、以前から「鉄道」をキーワードとしたまちづくりの機運が高まっていたので、スムーズに協力体制を取ることができました。

「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまは、新津駅前ですぐにバスに乗車されて、訪問先である燕に向かいます。新津での滞在時間はわずか10分間ほど。けれども、子どもたちのお出迎えやユリの花で、新津という土地を少しでも記憶に留めていただければ、これほどうれしいことはありません。
(写真左:近藤 雄二/写真右:真田 俊之)

新津観光協会 事務局次長 近藤 雄二/新潟市秋葉区 産業振興課 商工観光係長 真田 俊之
[ 文=鈴木伸子 撮影=名取和久 ]