線路などの保守作業を開始する場合は、信号機を赤にして作業箇所に列車を進入させない手続きを取ることで列車や作業者の安全を確保しています。従来その手続きは、作業者から駅への電話連絡を中心としていましたが、ヒューマンエラーなどの誤り防止を目的として、作業者が端末を操作することで信号機を赤にする手続きが可能なシステムを実用化し首都圏主要線区に導入しています。今後はその他の線区についても保守作業のシステム化を推進し、更なる安全の向上を図っていきます。
指令室の保守作業端末
「保守作業用ハンディ端末」による線路閉鎖手続
ATACSは、無線を使った列車制御システムで、地上と車上間の情報の伝送に無線を用いることによって車上主体の制御を実現するシステムです。車上主体のシステムを実現することで、信号機や軌道回路、信号ケーブルなど、従来必要であった設備を削減することができます。また、これらの設備を削減することで輸送障害を削減することも期待されます。
このATACSシステムを2011年10月より仙石線あおば通〜東塩釜間において使用開始しました。
大雨の際には、列車の速度を制限したり、運転を見合わせるなどの「運転規制」を行うことで列車運行の安全を確保しています。これまで、在来線の運転規制は「時雨量※1」と「連続雨量※2」を用いてきましたが、2008年6月に、降雨による土砂災害との関連性がよい「実効雨量」に変更しました。「実効雨量」とは、降った雨が時間の経過とともに浸透・流出することで変化する土中の水分に相当する量であり、この指標を用いることで、より的確に土砂災害の発生を事前に判断することができるため、列車運転の安全性や安定性が向上することになります。

「実効雨量」の概念
※1 時雨量 任意の時刻に対して、1時間前からその時刻までの降雨量の合計。
※2 連続雨量 任意の時刻に対して、降雨が12時間以上の中断を伴わずにその時刻まで継続した期間の降雨量の合計。
JR東日本では、降雨時の運転規制による列車への影響を少なくするため、計画的に路線の防災強度を高める降雨防災強化工事を進めています。2004年4月からは、首都圏を中心とした路線のうち、特にお客さまが多い12路線を対象として降雨防災強化工事に取り組み、2008年6月までに完了しました。
コンクリート製の格子枠工

