![]()
安全・安定輸送の実現には、信号機・転てつ機・軌道回路・PRC装置など、そのほか多くの信号設備が不可欠です。私が所属している信号通信技術センターでは、それら信号設備の新設・取換え・メンテナンスを実施しています。そのなかで私は、信号設備設計科に籍を置き、設備の設計業務を担当しています。設計業務には、設備を設置する箇所の現場測量から始まり、工事図面の作成、積算業務と多くの行程があります。また、省令や規程類の準拠から、予算や工程の管理、他系統との調整業務なども必要なため、設計者は実にさまざまな課題をクリアしながら仕事を進めなければなりません。信号設備には、ATS(Automatic Train Stop:自動列車停止装置)や踏切障害物検知装置など鉄道の安全性・安定性を高める設備が多くあります。その反面、信号設備が故障すれば、遅延や運休を引き起こし、安全・安定輸送に甚大な影響をおよぼします。現場施工には設計者の考え方が必ず反映されますから、障害が起こりづらい設備、保守しやすい設備とはどのような設備かをつねに考えながら、設計業務に臨むようにしています。
![]()
踏切には、設備の故障情報が指令で一括して把握できるよう、集中監視装置が設置されています。五能線の踏切に設置された装置が導入から約30年経過しているということで、昨年、1/3にあたる約50箇所の踏切で、最新の定常状態監視装置に取り換えることになりました。工事には、通信系統や指令、メーカー、施工会社など、社内外の関係各所との連携が不可欠です。施工手順から試験体制・切替体制などについて彼らと綿密に打合せを行い、施工に至りました。周囲に助けられながら無事に工事を終了できたときには、「JR東日本の仕事はひとりでは決して完成させられない」と、改めて思いました。また、信号に限らず、鉄道の設備というのは一度設置すると簡単に取り換えることはできません。自分が設計した設備も、今後何十年にも渡って踏切の保安度向上に貢献していくのかと思うと、とてもやりがいを覚える一方で、非常に責任のある仕事だということを実感しました。
![]()
入社以来、地方線区の信号設備の設計業務を手がけてきたことで、基本的な設計スキルは修得できたと思います。しかし、信号分野の技術は奥が深く、鉄道事業のなかでも技術刷新のペースが速い分野ですから、学ばなければならないことはまだまだあります。今後は、現在の自分に足りない制御論理に関する知識や、首都圏で導入されている最新の信号技術なども修得し、信号分野をトータルで理解できる人材になりたいと考えています。また、当社は海外鉄道コンサルティング会社を設立するなど、鉄道事業の海外展開にも力を入れ始めています。私自身も、最終的には学んだ知識やスキルを活かし、海外で活躍できる人材になることが目標です。

