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新潟県にある新津車両製作所は、社内で唯一の鉄道車両製造を行っています。設計から始まり、製造工程の計画、素材の加工、構体(金属製のボディ)の組立、各種部品の組立などの工程を経て、最終的には試運転まで行っている工場です。私はここの構体製造センターで、電車の構体の修正に携わっています。構体は溶接した段階では熱の影響でわずかな歪みが出るため、定められた寸法に修正しなくてはなりません。具体的に言えば、屋根、乗務員室、ドアの枠組、トイレの骨組などの歪みを修正していきます。たとえばドアの寸法のわずかな狂いをそのままにしておくと、ドア故障の原因になりますし、お客さまの怪我の原因にもなりかねません。修正の手法はガスバーナーで熱し、水で冷やすと金属が収縮するという特性を利用した方法のほか、ハンマーで叩いて平らにすることもします。歪みの程度や大きさによって、修正方法を判断します。判断にあたっては熱せられた金属の色の変化のサンプルデータや先輩たちが積み重ねてきた過去のデータを基本として、自分がこれまで経験し体得した感覚を駆使していきます。
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最初のころは自分の技術力に自信が持てなかったのですが、先輩の指導を受け、技能の向上を目標に日々努力し、経験を積んできました。通常、構体の修正作業は1つの車両を2人1組で担当します。入社3年目に、東海道線用E233系車両を造りはじめたときのことです。私が修正した部分を、ペアの相手である先輩社員がじっと見て、「うまくなったなあ」と言ってくださいました。そのとき自分の努力が認められたことに大きな喜びを感じました。作業に取りかかる前の歪みは車両毎に違っているので、それらの修正の方法は一人ひとりが考え、身につけなければならない側面があります。私が、従来の方法よりもさらに品質レベルを向上させ、しかも効率的に修正できる方法を考え出したとき、先輩社員がその方法を取り入れてくださったことも大きな自信になりました。こうして技術が身についてくると、自分の仕事に手応えを感じるようになり、誇りを持てるようになりました。
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次に携わりたい分野が鉄道車両製造において重要な技術のひとつである溶接です。構体製造センターでは溶接に携わる社員が多く、今後私も溶接の知識や技術を身につけ、製造現場の第一線での役割をさらに担っていきたいと思います。また将来的には新津車両製作所内のさまざまな部署を経験してみたいと思っています。構体製造センターで身につけた技術を生かせる車両の設計部門やお客さまにご利用していただく車両の品質を最終的にチェックする部門など、さまざまな部署で異なる角度から鉄道車両製造の知識を身につけることで、オールラウンドな能力をもつ製造技術者をめざしたいと考えています。

