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列車を走らせる目的は、お客さまにご利用いただくほかに、車両試験や各種訓練、定期検査や車両故障にともなう車体修繕のための車両センターへの回送など、多岐にわたります。運用課では、このさまざまな目的に応じて、効率的かつ効果的な車両運用・乗務員運用を行います。たとえば乗務員訓練のための車両手配依頼の場合、まず指定車両や使用目的にあった車両を所有する支社の担当者に、予定日の空き状況を確認。車両を確保した後、輸送課に対して、車両を訓練現場まで回送列車として移動させる運転時刻の調整を依頼します。そして「運転報」という車両運用の報告および指示書に、車両管理や乗務員手配などの現場指示を記載し、これを関係各所に発信します。運用担当の仕事は、縁の下の力持ちですが、運輸関係では要の部分を担っています。実際に自分が手配した列車が走行している姿を見ると、いつ見ても感動します。たとえば、訓練車両を手配して「育成に役立った」と現場から言われたときなどは大きなやりがいを感じる瞬間です。
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入社後、1年半のきっぷの販売業務と6年の車掌業務を経て、2年間、乗務員指導を担当しました。この2年の指導経験が、今の私の礎を築いたと思っています。同じ車掌区内での異動でしたが、乗務員を指導する立場に変わると、視点がここまで変化するのかと驚きました。それまで自分のことだけに集中しがちだったのが、「乗務員がいかに働きやすい環境をつくるか、事故を起こさせないために何が必要で、そのために自分には何ができるのか」という意識に変わったのです。頭ではわっていたはずの「働きやすい環境」や「事故防止の重要性」の深い意味を理解できたのかもしれません。同時に、指導する側になって初めて、上司や管理者が、愛情を持って多くのことを教えてくれていたことに気づきました。このときの経験があったからこそ、運用課で車両を手配する立場になった今、ただ単に手配するのではなく、車両を使用する現場社員と、その先のお客さまのことを考えながら、視野を広く持って仕事に取り組めるのだと思います。
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再び輸送の現場に戻り、管理者として社員教育に携わることが今後の目標です。若手社員のなかには、情報や知識の不足から、自分が次にどう動くべきか判断に迷う社員もいます。管理者になれば、社員一人ひとりの目標や適性にあわせて育成し、ときには必要な経験を積ませるなど、若手社員に近いところで成長をサポートできると思ったからです。現場で働く社員の視点と指導者としての経験を織り交ぜた人材育成を行うことができれば、若手に次のステップへ進むきっかけをつかんでもらえるのではないかと考えています。管理者になれば、部下を評価しなければいけない難しさもありますが、つねに挑戦心を持って自分自身が成長することを心がけ、周囲にいい影響を与え続けたいと思います。

