


大学時代の最後の1年間は、実家の花巻から大学のある仙台まで毎日、FREXパル(通学用新幹線定期券)で通学していたのでJR東日本はもともと身近な存在でした。土木工学科で学んだ知識を活かせる分野であることや、「線路」の敷設やその維持を仕事とすることへの純粋な興味、前職は工業高校職員でしたので、民間の大手企業というのはどんな世界なのか一度経験してみたいという気持ちもありました。保線という特殊な分野で、線路の知識もほとんどないところから、10代、20代前半の仲間と同じスタートラインへ立つのに不安もありましたが、社会経験で培った人とのコミュニケーションの取り方が強みになりました。

線路をつねにベストな状態に保つことで、お客さまに安全で快適な乗り心地を提供することが私たちの使命です。初めに配属された線路一科では、奥羽本線など3線の線路検査のための巡視などを中心に担当していました。現在の計画科に異動後は、主にパートナー会社への施工通知の発行や工事終了後の仕上がり検査、引継ぎ検査の確認を担当しています。工事が適正に行われたかをチェックして支払金額を確定するため、慎重に確認作業を行います。自分の手がけた工事書類は一定期間保管されるので、後輩が見て参考になるように正確に作成するように心がけています。また、業務研究リーダーとして腐食防止によるコスト削減のテーマにも挑戦しました。トンネル内は湿度や漏水などの関係でレールが腐蝕しやすいのですが、これを抑えるため腐蝕防止用の塗料を探し当て、塗ることを提案しました。塗布後の成果を数値化して検証したところ、腐食のスピードが落ちたことがわかりました。

新庄周辺は豪雪地帯で、積雪が4mを超えることもあります。新庄保線技術センターでは除雪をするビッグロモという車両が3台あり、保線の社員は運転席、操縦席に乗り込んで除雪を行います。投雪が民家にかからないようにしたり、雪をかく部分が駅のホームにぶつかったりしないように注意深く操作しながら、事故のないように、初列車を遅らせないように除雪することが重要です。2011年の年初の大雪では、除雪車の運転中に新幹線のトラブルも発生し、13時に出発して戻って来たのが翌朝5時でした。朝一番の新幹線「つばさ」を福島駅での連結に間に合わせるため、保線技術センターの社員が一致協力して復旧に取り組んだ結果、早期復旧することができました。このときほど、お客さまのために先輩たちが雪に立ち向かって行く強い心意気、後ろ姿を頼もしく感じたことはありませんでした。
現在の計画科で改良工事といった線路のグレードを上げる本格的な工事にチャレンジするために知識・技術のスキルアップをめざしていきます。今回、鉄道技術検定(保線レールエンジニア)に合格したので、次は国家資格の「技術士」をめざします。その後は予算の承認などを行う「企画科」を経験し、保線技術に関する知識、技術をマスターし、一人前の「保線屋」になることが目標です。
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| 線路状態の把握 | 軌道計測車(East-i)などのデータを活用し、修繕が必要な箇所を抽出する。 |
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| 修繕計画の策定 | 線路の補修、改善計画を策定し、他部門との調整などを行う。 |
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| 線路の修繕 | 計画に基づき工事を発注し、施工監理を行う。 |
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| 施工後の確認 | 工事の完了後、線路状態の検査・確認を行う。 |