


通勤途中の山手線でJR東日本の社会人採用の募集を見たのがきっかけでした。そのころ、特に仕事に対する不満はなかったのですが、チャンスがあるならば、働いてみたい会社でもありましたし「どんなスキル・経験がある人なら入れるのだろう」という興味でホームページを調べてみたところ、自動車整備士の経験者が活躍しているということがわかりました。自動車整備に必要な、「構造を知り、機能を知ったうえでメンテナンスを行う」という一連の流れは、メンテナンス対象が変わっても活かせるかもしれない、また鉄道事業という社会的に責任の大きい会社のなかで、自分に何ができるのか挑戦してみたいという気持ちが高まり、思い切って応募しました。

日々の車両メンテナンスは、各エリアの車両センターで実施していますが、首都圏を走る新系列車両の一定期間ごとに定められた定期検査は、東京総合車両センターが一括して行っています。各エリアを走行する約6,000両の車両が検査切れを起こすことなく安全に走行するために、各車両の検査日の設定、入場計画(2012年度で約2,000両)を立てるなど、車両検修全般の管理を行います。日々の主な業務は、車両センターとの調整をはじめ、現場の作業状況の把握、情報収集などです。企画科の仕事は工場全体の円滑な運営にもかかわるため、各部署との密な情報交換、調整力が求められます。入社以来、現場でメンテナンス業務に取り組んできましたので、知らないことも多く戸惑うこともありますが、現場の経験がなければ務まらない仕事ともいえます。

主電動機班にいたころのこと、モーターかカルダン(駆動装置)のどちらかから音が出ているということで、調査に向かいました。10分くらい走行すると車内で異音が確認されたのですが、復路の運行においては音がしませんでした。「モーターに異常があれば往復ともに音が出るはず」そう考え、車両の下に入り検査をしました。しかし、目視で確認できる範囲ではモーターに異常は無かったため、カルダンの交換を計画しました。すると後日、詳細な調査を行ったところ、モーターとカルダンを結ぶ部分に破損があったのです。つまり、目視確認をした際に原因を見つけることができなかったのです。その理由は、破損の状況がこれまでと違ったからでした。先入観にとらわれていると新しい故障を発見できない、という苦い経験です。以来、つねに新しい故障を発見していく心構えが必要だということを肝に銘じて取り組んでいます。
企画科での業務はまだ始まったばかりですので、ここで一人前になることが今の課題です。工場で行うメンテナンスにかかわる計画を立てたり、予算を立てたり、身につけなければいけないことばかりだと感じています。東京総合車両センター内だけでも、さまざまな業務があり、社員として勉強することは限りなくあるといっても決して大袈裟ではないと思います。また多くのベテラン社員の方々の不具合を発見する嗅覚に驚かされることがあります。経験や知識に基づいた感性も磨いていきたいです。
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| 指定保全 (60万kmを超えない期間ごとに実施) |
1. パンタグラフの取替 2. 冷房装置の取替 3. 主電動機軸受への給油 4. 空気圧縮機潤滑油の交換 などの指定した装置の解体検査と装置全般の検査が中心。 |
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| 装置保全 (120万kmを超えない期間ごとに実施) |
1. 台車枠の分解検査 2. 車輪の取替 3. 車軸探傷 4. 主電動機軸受の点検 5. 基礎ブレーキ装置など磨耗部品の取替 6. 電機および電子部品の取替(一部) 7. 空気圧縮機などの分解検査 などの車体全般についての解体検査を行う。 |
| 車体保全 (240万kmを超えない期間ごとに実施) |
1. 座席などの修繕 2. 車軸軸受の取替 3. 駆動装置軸受の取替 4. 主電動機軸受の取替 5. 電気機器の分解検査 6. VVVFインバータなどの電子基板の取替 など装置保全の作業項目に追加して、車両としての機能を回復する検査の実施。 |
自動車販売会社で5年間、トラックの整備士として勤務した後、自動車の電機整備会社で3年間、クーラーの修理やカーナビゲーション、ETCの取付けなどのメンテナンス業務を担当していました。
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