


前職では車のメンテナンスに10年携わってきました。そのなかで、自店に来られる車のオーナーだけでなく、より多くのお客さまの安全の足を支えたいという思いが強くなってきました。ちょうどそのころ、JR東日本の社会人採用の募集を知りました。それをきっかけにJR東日本の安全への取組みを知るにつれ、「お客さまの命の尊さや、整備する側の緊張感・使命感は電車も車も同じ」という思いから深く共感しました。この会社なら、かねてから抱いていた「より多くのお客さまのために自分の技術を活かしたい」という思いが実現できると考えました。JR東日本のようなスケールの大きな企業のなかで、自分の活躍の場は持たせてもらえるのだろうかという不安もありましたが、前職で培った安全への取組みや考え方は必ず活かせるという自信がありチャレンジしました。

現在、埼京線・川越線の205系電車のATC(自動列車制御装置)の定期検査をメインに担当しています。ATCは万が一、運転士がブレーキをかけ忘れた場合でも、車両が自らブレーキをかけ、お客さまの安全を守る保安装置の一つです。装置が故障した場合、列車の事故や運行の遅れ、運休に直結するため、定期検査は細心の注意を払い、メンテナンス作業を行う必要があります。経年劣化による故障の前兆を見つけるためには、車両の正常な状態を注意深く観察し、わずかな異常も見抜ける力を身につけることが大切です。そのために過去の故障事例を頭に入れ、先輩社員からも注視すべきポイントを学ぶようにしています。お客さまの足を支え、お客さまが安全を空気のようにあたり前に感じていただけるように仲間とともに取り組む現在の仕事に、誇りとやりがいを感じています。

東日本大震災発生後に、八高線の車両でパンタグラフの破損が発生しました。パンタグラフの摩耗部品については普段から定期的に検査を行っていますが、装置本体の交換は車両センターで行うことはないため、作業に適した機材もなく、想定外の事態に正直慌てました。不測の事態にどう対応すべきか、私個人では判断がつきかねましたが、車両の機器や構造を熟知しているベテランの先輩方の冷静な対応で、無事交換することができました。先輩に感謝すると同時に、普段の自分の視野がいかに狭く、身近な業務ばかりにしか目を向けていなかったかを思い知ることになりました。この苦い経験から、日々の業務のなかで「ここは大丈夫だろう」という箇所についても不測の事態に備えてシミュレーションをし、機器の構造をこれまで以上に熟知すべく励むようになりました。
これまではメンテナンスの計画に基づいて、基本に忠実に作業を行いながら知識・経験を深めてきましたが、今後は技術管理業務を経験し、これまで培ってきた知識・技術の幅を広げ、新たな視点から、より快適な車両を提供するためのメンテナンス方法の確立をめざしていきたいと思います。車内放送や冷暖房の改善など、快適性の実現のために車両から提案できることなど、周囲を巻き込みながら新たな価値創造にも取り組んでいきたいと思います。
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| 仕業検査 (検査周期6日以内) |
・運転室機器の状態確認、整備 ・パンタグラフの状態、スリ板の厚さの確認 ・各機器の取り付け状態の確認 ・ドアの開閉確認 ・走行・ブレーキ装置の状態確認 などの主要機器の状態、機能確認 |
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| 交番検査 (検査周期90日以内) |
・運転室機器の状態確認、整備 ・パンタグラフの動作機能の確認 ・各機器の状態、動作確認 ・ドア・戸閉装置の動作確認 ・台車・車輪・ブレーキ装置の状態確認 ・主電動機のブラシ・整流面の状態確認 などの主要機器の動作確認と編成での総合試験による機能確認 |
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| 臨時修繕 (随時) |
・車両の不具合・劣化品の取替、修繕 ・消耗部品の計画取替 ・車輪・主電動機の取替 ・冷房装置の取替 ・ATC・ATS-Pなどの保安装置の定期検査 |
カーショップで販売業務を経て「カーライフアドバイザー」として、オイルやタイヤ交換、車検などのメンテナンスをはじめお客さまの車の安全性や快適性の向上についての提案を行っていました。転職前の3年ほどは、メンテナンス・サービス部門と販売部門の責任者から店長となり、実績管理、指導など店舗全体の統括を担当しました。
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