かつての職場は警備会社でした。人々の安全を守り、安心を提供する“使命感のある仕事”をしたかったためです。そうした実感は確かに得られたものの、年月を重ねるにつれてキャリアプランに展望を見いだせなくなり、転職を考え始めました。
自分の可能性は、どんな世界で活かせるのかを模索するうちにJR東日本のグリーンスタッフ募集に出会いました。膨大な数のお客さまが行き交う駅という大きな舞台には、出札や改札、さらにはお客さまへのご案内など多岐にわたる業務フィールドがあり、そこで働く自分を想像した瞬間、「ああ、ここだ」と運命的なものを感じて応募したのです。
書類選考や面接などを経て、晴れてJR東日本への入社が決まりました。同じ時期に入社した同期には他の鉄道会社で実務経験がある仲間もおり、彼らを頼りにしつつ、一方で「早く追いつきたい」と向上心を刺激された結果、約1ヶ月半にも及ぶ入社時研修を乗り越えられた気がします。同時に、鉄道の仕事をする上でチームワークがいかに重要かを痛感し、研修の場で得たものは、今日に至る私の財産です。
2007年4月、立川駅に配属となりました。業務は出札や改札でした。研修である程度の業務知識を習得したつもりでしたが、現場で求められる技能のごく一部にしかすぎなかった事を思い知らされました。駅社員はお客さまを前にした状況でその都度先輩社員などに相談するわけにもいかず、自分自身の知識や経験を元にした判断で応対しなければならない事が非常に多くあります。そして、その判断は正確で、かつお客さまをお待たせすることなく行う必要があります。
ただ、そんな場面でも先輩たちは適度な距離を保ちながら、本当に必要なときにはさりげなくアドバイスをしてくれました。自分は一人じゃない、見守ってくれる人がいるという安心感で、私は自信を持って業務を行う事ができました。
また、同期の存在も大きかったです。共に立川駅勤務となった5名をはじめ、研修などで顔を合わせる他駅のグリーンスタッフたちとお互いに励まし合い、情報交換をするなかで、明日への活力をもらった事は今でも忘れません。
お客さまから信頼を得るには知識や技術もさることながら、誠実に、そして真摯に対応しようとする姿勢が大切であることを痛感しました。私はそれを先輩や同期、そして何よりもお客さまから教えていただき、現在の自分へと成長できたように思います。
私にとって最も嬉しかった出来事は、2010年4月に念願の正社員になれたこと、そして配属駅が三鷹駅に決まったことです。
それは三鷹駅には鉄道にとって非常に重要な運転業務があったからです。特に「信号」という業務は、指令員と打合せをして電車の順序を決定したり、隣接する車両基地との間で車両の出し入れを行ったりする特殊な業務です。そのため、この業務にぜひ携わってみたいと自ら強く希望したところ、約半年間の出改札業務を経て実現することができました。グリーンスタッフの時には携わることのなかったホームでの業務も行い、仕事の幅が着実に広がっていることを実感しています。このように駅には、非常に多岐にわたる業務フィールドがあります。正社員になってからもグリーンスタッフの頃と同じように、いろいろな事に積極的に挑戦し続けています。
今後は、その先にある駅のスペシャリストである駅長への道を目指して、JR東日本の数限りないフィールドで一歩ずつ成長して行きたいと思います。












