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JR東日本からのプレスリリースを年度別に掲載しています。(JR東日本広報部)
 
2002年4月10日
 

山手線にデジタルATCを導入
 
 JR東日本では、2005年度初から山手線に、デジタル方式の新しいATC(デジタルATC)を導入します。
 このシステムの導入により、従来のATCの動作にともなう急ブレーキが解消されて乗り心地が向上するとともに、ラッシュ時間帯の列車運転間隔の短縮により混雑緩和も可能になります。
 また、現在南浦和〜鶴見間でデジタルATC導入工事中の京浜東北線についても、2005年度末に根岸線とあわせた全線(大宮〜大船)をデジタルATC化します。
 
1. デジタルATCの概要
 現在、山手線・京浜東北線では列車と列車の間隔を安全に保つシステムとしてATC(Automatic Train Control、自動列車制御装置)を使用していますが、従来のATCはきわめて安全かつ安定したシステムであるものの、ラッシュ時間帯の列車運転間隔がこれ以上短縮できない、ATCの動作にともない急ブレーキがかかる、等の問題点も抱えていました。
 そこでJR東日本では、従来のATCとは抜本的に異なる原理に基づくデジタルATCシステムを開発しました。
 従来のATCでは、列車の運転速度をアナログ信号によって地上側から指示していましたが、デジタルATCでは、列車の停止すべき位置がデジタル信号で地上側から伝送され、車上で自列車の位置を把握しつつ曲線や勾配等の線路条件を考慮した最適なブレーキ制御を行います。
 このシステムの導入により、従来のATC動作にともなう急ブレーキが解消されて乗り心地が向上するとともに、ラッシュ時間帯の列車運転間隔の短縮により混雑緩和も可能になります。また、運転士に先行列車の位置等の運転情報が提供されるためより円滑な運転が可能になります。さらに、地上設備も簡素化され工事費とメンテナンスコストの削減が可能になります。
2. 山手線への導入
 このたび導入を開始する山手線の新型車両には新造時からデジタルATC車上装置を搭載していますが、今後、新型車両の製作と並行してデジタルATC地上装置の工事を進め、新型車両の出揃う2005年度初には地上設備も完成させ、デジタルATCによる運転を開始する予定です。
3. 京浜東北・根岸線への導入
 京浜東北線では、南浦和〜鶴見間において2003年度初使用開始予定でデジタルATCの導入を進めていますが、2005年度末には京浜東北・根岸線全線(大宮〜大船)に拡大する計画です。また、京浜東北・根岸線に直通運転している横浜線用の車両にもデジタルATC車上装置を搭載する予定です。
 
【参考】 現在のATCとデジタルATCの比較図 [PDF/102KB]
【参考】 デジタルATCシステムの使用開始時期