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JR東日本からのプレスリリースを年度別に掲載しています。(JR東日本広報部)
平成11年8月31日


コンピューター西暦2000年問題への対応と危機管理計画

当社は、2000年問題への対応を経営上の重要問題として位置づけており、万全を期すよう会社を挙げて対応に取り組んでまいりました。
2000年問題への対応は、計画通りに進んでいます。
万一、社内外のシステムに2000年問題が発生した場合、直接お客さまにご迷惑をおかけする恐れのある列車運行、切符販売などの業務について、2000年問題によるトラブルを最小限にとどめることを目的に「危機管理計画」を策定しました。

1. 2000年問題の基本的スタンス
 鉄道事業や生活サービス事業など様々な分野で、多くのコンピューターシステムやマイクロコンピューターを搭載した設備・機器を使用しています。これらの中には、2000年問題を抱えているものもありますので、2000年を迎えても業務が滞ることのないよう、2000年問題への対応を経営の重要課題として位置づけ、会社を挙げてその対応に取り組んでまいりました。


2. 2000年問題への対応状況
 対策を完了する時期として、列車運行管理、販売等の重要なシステムについては、原則として1999年6月、その他のシステム等についても、10月までには模擬テストを含む確認試験を終える計画で進めてきました。2000年対応のための改修・模擬テスト全体の進捗率は、1999年8月末の時点で約98%であり、計画通りの進捗です。ただし、重要なシステムの一部に、業務繁忙期を避けてシステムの切替を行ったり、システム更新作業を別に行っているため作業調整により、対応完了時期が9月となるものがあります。これらのシステムについては今後も十分な進捗管理を行います。
主なシステム等の対応状況は次の通りです。
(1) 指定券・乗車券類の販売
 指定券を扱う座席予約システム(鉄道情報システムが開発・運営)をはじめ乗車券類の販売システム、およびクレジット販売のビューカードのシステムについては、模擬テストを含め対応を完了しています。
(2) 列車の運行管理
 列車の進路制御を行う運行管理システムは線区別に対応を進め、中央装置の対応は完了しており、端末装置の対応も9月に終える予定です。新幹線については模擬テストを含め対応を完了しています。
(3) 電車への電力供給
 電車の運転用電力などを供給している変電所等を遠隔制御するシステムについては、在来線については完了しましたが、新幹線は9月に対応を終える予定です。なお、発電所の制御システムについては全箇所とも対応を完了しています。
(4) マイコン搭載設備・機器
 マイコン搭載設備・機器については、自動券売機、自動改札機などは対応を完了しています。駅構内の列車運行の安全を保つために設置されている電子連動装置は、連動機能そのものの改修は必要ありませんでしたが、履歴情報を記録する機能について改修を行い、既に完了しています。
また、列車の速度や停止の制御を行う自動列車制御装置(ATC)や自動列車停止装置(ATS−P)、車両搭載機器については、制御に日付情報を使用していないので問題がないことを確認しています。


3. 危機管理計画について
(1) 基本的な考え方
1. 2000年問題に起因する不具合の発生時には、安全を最優先として対応します。
2. 不具合の発生を最小とするための予防対策に努めますが、システムや設備の障害発生時は早期に復旧できるよう、要員の待機、または連絡体制を整備します。
3. 万一不具合が発生した場合においても、重要な業務については代替手段等を講じることにより、お客様に及ぼす影響を最小限とします。
(2) 危機管理計画の概要
 2000年1月1日0時またがりの列車運転計画や、システムダウン時等の対応を定めました。(別紙を参照して下さい。)
(3) 特定要注意日の設定
特に2000年問題発生の可能性が高い以下の期日を「特定要注意日」とし、連絡体制の整備と確認作業の実施を行います。
1. 1999年12月31日(金)20時〜2000年1月1日(土)12時
「特別警戒体制」 2000年への年替り対応
2. 2000年1月1日(土)12時〜1月4日(火)18時
「警戒体制」2000年初日の状況確認、営業初日(1月4日)対応
3. 2000年2月28日(月)22時〜3月1日(水)12時
「警戒体制」閏年対応


4. 1999年9月9日の体制
 2000年問題の要注意日のひとつとされている9月9日は危機管理体制をとり、システム及び 設備の稼動状況の確認を行います。あわせて年末年始に向け、本社・支社等の連絡体制の整備を行います。
(1) 実施時期
1999年9月8日(水)22時〜9月9日(木)12時
(2) 警戒体制
本社・支社の2000年問題対策本部関係者 約200名
JR東日本情報システム関係者 約60名
(3) 実施内容
・ システム、設備の稼動状況の確認
・ 本社・支社の対策本部間の情報連絡 など


5. 取組みの情報開示
  当社は、交通分野を中心に重要な事業を担っているとの認識から、2000年問題についてこれまで、その対応を確実に進めるとともに、インターネットホームページ等で情報の公開についても積極的に行ってまいりました。今後も、2000年問題について危機管理計画を中心に、ご利用いただくお客さまをはじめ、社外に対して更なる情報発信に努めてまいります。