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新しい経営ビジョン「グループ経営構想Ⅴ 〜限りなき前進〜」を策定した背景について聞かせていただきたい。

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2011年3月11日を国鉄改革に次ぐ「第二の出発点」と位置づけ、当社グループの役割や目指すべきものをあらためて明らかにしました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災により、当社の事業エリアは東北地方を中心に未曾有の被害を受けました。私たちが、震災の経験を通じて強く感じたことは、地域の皆さまが最も求めていることが日々の暮らしの安全・安心であるということ、そして私たちインフラ企業は、自らの使命を果たし安全・安心なサービスをお届けしなければならないということです。
震災で不通となった区間の運転が再開されるたび、その地域の皆さまから喜びの声があがり、多くの感謝の言葉をいただきました。復旧に全力を尽くすことで「地域との絆」が強まり、社員一人ひとりが、自らの仕事に「自信と誇り」を感じることができました。
私たちJR東日本グループは、26年前の国鉄改革で生まれました。国鉄改革の目的は、破綻してしまった国鉄、鉄道を再生させ、地域と社会に貢献できるようにすること、そして技術革新やサービス改善などにより社会に求められる新しい鉄道の姿への進化、変貌を遂げることでした。震災とその後の激しい時代の変化を目の当たりにし、私たちは、国鉄改革の際に誓った「鉄道の再生」、「鉄道の復権」を改めて胸に刻むことになったのです。
そのため、東日本大震災を「第二の出発点」と位置づけ、国鉄改革時の気概を思い出し、社会から求められる「変わらぬ使命」を果たし、鉄道のもつ「無限の可能性」追求していく。そのための目指すべき未来像として「グループ経営構想Ⅴ」を策定しました。グループ社員全員で、次の四半世紀に向け、着実かつ力強く歩み続けていこうと思います。
「グループ経営構想Ⅴ」では、コンセプトワードとして「地域に生きる。世界に伸びる。」を掲げています。鉄道はネットワーク産業であり、地域が元気でなければ力をフルに発揮することはできません。その意味で当社にとって地域貢献はレゾン・デートル(存在意義)とも言えるでしょう。地域社会の一員として、地域の皆さまとともにあるべき未来を考え、元気な地域を築くため、「私たちだからできること」を実行していくために、「地域に生きる。」を打ち出しています。
一方で、激しい変化の時代に生き残り、持続的な成長を遂げていくためには、自分たちの可能性をより広げるという挑戦の気持ちを持つことが必要です。社員一人ひとりが自らの可能性を信じて挑戦してもらいたい。そしてそうした環境をつくることが経営者の責任だと考えています。ともすると鉄道事業は内向き傾向があり、組織も自己完結型になりやすいところがあります。それではいけないので、社員の活躍の場を広げるために、新たな事業領域への進出を図るとともに、国内外の優れた技術や人材を活用したいと考えています。事業領域を新たな分野に広げ、世界に目を向け皆で未来を切り拓いていく、この思いを「世界に伸びる。」のコンセプトに託したのです。
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