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2009年度は「グループ経営ビジョン2020−挑む−」(GV2020)の2年目にあたり、次代の発展に向けて足元を固める重要な年度と位置づけてまいりました。この間の日本経済は、一部に持ち直しの動きが見られたものの、失業率が高い水準で推移するなど、依然として厳しい状況が続きました。当社もこうした景気の影響を大きく受け、ビジネス需要が低迷したほか、いわゆる「出控え」によりゴールデンウィークや年末年始などのご利用が大きく減少しました。さらに、高速道路料金の土日祝日上限1,000円施策や新型インフルエンザの影響もあり、運輸収入は20年前の水準にまで落ち込みました。また、生活サービス事業においても、個人消費の低迷により、既存店舗を中心に売上が減少しました。その結果、2009年度決算は2期連続の減収減益であり、かつ過去最大の減収・減益幅という厳しい結果に終わりました。この2009年度をひとことで言うと、やはり「厳しい一年だった」に尽きると思います。
鉄道事業は、景気動向や人口などの外部環境が収入動向に大きな影響を与えるという特徴があります。また、装置産業であり、経費の大半を固定費が占めているため、売上の減少は利益の減少にそのままつながるという特徴も合わせ持っています。そのため、2009年度は、特に以下の2つの方針に基づき事業を展開してまいりました。第一に、「トップラインにこだわる」こと。厳しい経営環境の中であっても、収入の確保を図るため、社員一人ひとりが知恵を絞り、様々な緊急増収施策に取り組みました。第二に、「コストダウンの徹底」です。減収傾向にあっても投資家の皆さまにコミットした「利益計画」を達成すべく、あらゆる経費の見直し・削減を実行しました。
その結果、先ほど申し上げたとおり、厳しい決算ではありましたが、2010年1月に修正した業績見通しについては概ね達成し、連結の営業利益・経常利益については、コストダウンの成果として100億円超を上積みすることができました。
鉄道営業面では、新潟や横浜でのデスティネーションキャンペーンの展開など観光流動の創造に努めたほか、インターネットを活用したきっぷの販売を強化しています。また、「ツーデーパス」、「週末日帰りパス」などの企画乗車券の発売、鉄道と組合せた格安のレンタカー商品の提供など、高速道路料金引下げへの対策も含め、旅行需要の喚起を図りました。特に、高速道路に関しては、土日祝日上限1,000円化の効果により旅行が週末に集中する傾向にありましたので、これに対抗して「平日の列車旅応援キャンペーン」を実施しました。
生活サービス事業では、引き続き「ステーションルネッサンス」を積極的に展開したほか、グループ一体となって販売促進に努めました。東京駅の「グランスタ」では、店舗リニューアル効果や限定商品の企画・販売などにより、前年を上回る売上をあげています。一方、駅ビルなどの既存店舗は、減収傾向が続き苦戦していましたが、市中の百貨店等が大幅に収益を減らしている中、健闘したものと評価しています。
また、設備投資については、「挑む」の精神に基づき、厳しい経営環境においても持続的成長を目指し、連結で4,300億円規模、単体で3,600億円規模と、過去最大の投資を実施しました。鉄道事業に関しては、横須賀線「武蔵小杉駅」を開業し、お客さまの利便性向上を図るとともに、「成田エクスプレス」に新型車両を導入するなど、快適な輸送サービスの提供に努めました。また、東北新幹線新青森開業に向けて、新型高速新幹線車両E5系量産先行車による試験走行等に取り組んできました。生活サービス事業に関しては、「GV2020」に掲げた「2017年度までに運輸業以外の営業収益を全営業収益の4割程度にまで引き上げる」という目標の実現に向け、「ステーションルネッサンス」の取組みを拡大し、店舗・駅ビルの新規開業等を推進しました。
経費面では、安全安定輸送の確保を前提に、優先順位をつけた修繕の実施や全社的な業務の見直しなど、徹底的なコストダウンに取り組み、増益効果を生み出しています。
先ほどから、当社の業績に大きな影響を及ぼした要素の一つとして、高速道路料金の引下げについて触れていますが、これに対する当社の基本スタンスを述べたいと思います。当社は、高速道路の無料化及び上限料金制度について、以下の3点から反対しています。1点目は、「我が国の交通体系への影響」です。この施策により、鉄道・船・バス等の公共交通機関の経営に深刻な影響が及んでおり、一定のバランスの上に成り立っているわが国の交通体系が大きく崩れるおそれがあります。2点目は、「負担の公平性」です。この施策による受益者は高速道路の利用者に限られる一方、広く国民にその負担を求めることは、受益者負担の原則に反すると考えます。3点目は、「環境政策との整合性」です。政府は、地球温暖化対策として極めて高いCO2排出量削減目標を掲げています。一層のモーダルシフトの推進が強く求められている中で、このような施策を実施することは、明らかに逆行していると言えるでしょう。こうした観点から、当社を含めJR7社は、国土交通大臣に対して、反対意見を表明し、実施の見送りを要望しています。なお、2009年度においては、高速道路料金の土日祝日上限1,000円施策により、運輸収入が90億円程度の減収になったものと考えています。
※2010年6月28日より、全国37路線50区間を対象とした高速道路無料化社会実験が開始されました。
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