乳がんの症状・治療について

乳がんとは

乳がんは乳管に発生した腫瘍が悪性化する病気です。乳がんは30代後半から発症率が増加し、50代前後の年代に多く見られます。とはいえ、70代以上になって罹患(りかん)するケースも少なくありません。乳腺や内分泌の疾患は特に女性に多く、良性のしこりができる線維腺腫、悪性もしくは境界病変(悪性と良性の中間)の大きなしこりができる葉状腫瘍、乳房の痛みや張り・乳頭からの分泌物等が見られる乳腺症など、乳腺にできる病気は多岐に渡ります。乳がんによく見られる症状として、「乳房のしこり」「乳房の皮膚のひきつれ・くぼみ」「乳頭から分泌物が出る」「急に乳頭が陥没した」「乳頭にただれや変形がある」「脇の下にしこりがある」があります。気になる症状がある場合は、早めに受診してください。

乳がんの診断

当院では乳腺外科・内分泌外科で診察します。問診や視触診、さらにマンモグラフィ、超音波検査を行い、診断結果は可能な限りその日のうちにお伝えします。また、医師の判断で病理検査を行うこともあり、約10日後に結果を医師からお伝えします。
乳がんと診断された場合は、画像診断や病理検査を経て、初期治療を中心とした解説を行います。治療方法は手術、放射線療法、薬物療法に大別され、個々のタイプに合わせて必要な治療を組み合わせて行います。
乳がんはステージ0~Ⅳまでの5段階に分けられています。ステージ0は、乳がんが乳管にとどまっている非浸潤がんで、しこりの大きさは関係ありません。ステージⅠはしこりが2cm以下でリンパ節に転移が認められないことが条件です。ステージⅡは腋窩(えきか)リンパ節に転移が認められてもしこりが5cm以下、またはしこりが5.1cm以上でもリンパ節に転移が認められないケースです。ステージⅢはA~Cまでさらに進行度合いが細分化されます。しこり5.1cm以上で腋窩リンパ節転移がある場合と、しこりの大きさに関係なく腋窩リンパ節転移の癒合・固定または腋窩リンパ節ではなく胸骨傍リンパ節へ転移が認められた場合はA評価です。しこりの大きさに関係なくしこりが皮膚や胸壁に浸潤しているものはB、鎖骨下リンパ節や鎖骨上リンパ節に転移が認められた場合はCです。乳房から離れたところに転移が認められるとステージⅣです。

乳がんの治療

乳腺外科では、乳腺の診断、治療を主に行っています。乳がんの初回手術件数は年間約150例と、都内でも有数の症例数です。乳がんの診断・治療については外来・入院を問わず、多職種が参加しているブレストケアチームによるチーム医療で行っています。
比較的早期の症例では形成外科との協力体制のもとで乳房同時再建(保険適応)を行い、二期的乳房再建術(保険適応)も当院形成外科にて行っています。乳がん治療での手術入院は5日~9日間と短期間です。
ただし、乳がんは薬物治療(化学療法、ホルモン療法、分子標的療法、等)や放射線治療が有効なため、補助療法として長期の通院が必要になります。
当院は、新宿駅南口から徒歩5分の立地で、通院にたいへん便利です。第2・第4土曜日は午前・午後ともに外来診療を行っています。
毎年10月の第3日曜日には、ピンクリボン運動の一環として JMS(ジャパン・マンモグラフィー・サンデー)運動に参加。同日の午前・午後にマンモグラフィ検診(ECHO検診も含む)を行っています。また、当院で乳がん治療を受けられている(あるいは治療が終了された)患者さまのために「 マンマのおしゃべりサロン」を1年に3回程度、土曜日の午後に開催しています。

当院の治療成績

当院の年間の乳がん初回手術件数は約150例です。乳がん手術症例の約70%は乳房温存手術で、60%以上の患者さまにセンチネルリンパ節生検(染色法とRI法との併用)を行っており、これらは他の都内主要施設とほぼ同等の数字となっています。

各診療科の対応

主な診療科名 治療の実施状況 (○:実施可 / ×:実施不可) 当該疾患の治療に関する内容が掲載されているページ
手術 化学療法 放射線療法 冷凍凝固摘出術
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