血管外科

血管外科の外来担当医表はこちら

特色

血管外科医があつかう病気の範囲は幅広く、頭と心臓を除く全身の血管すなわち首・胸・腹・手足の、動脈と静脈そしてリンパ管にかかわる病気をお持ちの方を対象としております。
また「外科」と称しておりますが、体にメスを入れるいわゆる手術のみならず、より負担の少ない血管内治療(カテーテル治療)や、病状に応じた服薬治療やリハビリテーションもご提案できる、総合的な「血管病治療医」として診療に当たっております。

疾患と治療法

代表的な血管病とその治療法に付きご説明します。

1. 下肢閉塞性動脈硬化症
動脈硬化のために足の動脈が細くなったり詰まってしまったりしてしまう病気です。典型的な自覚症状は、歩行中に太ももやふくらはぎが痛くなり、しばらく休むとまた歩けるようになるという「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。広範囲に動脈が詰まってしまった場合は、じっとしていても足が痛い「安静時痛」という症状や、つま先やかかとの傷が治らない「難治性皮膚潰瘍」という症状に悪化することもあり、早めの対処が重要です。たばこはてきめんに症状を悪化させるため、厳密な禁煙も非常に重要です。
糖尿病・高血圧症・コレステロール異常症などの生活習慣病をお持ちの方や人工透析を受けていらっしゃる方は、手足の血圧を同時に測定するABI測定という検査を一度受けてみてください。腕の血圧と比較して足の血圧の方が低い場合や逆に高すぎる場合は要注意です。当科でも簡便にこの検査ができますので、症状にお心当たりのある方は一度外来を受診して下さい。
治療法は病状に応じて薬物療法や運動療法から、カテーテルを用いた血管内治療、そして人工血管や自家静脈を用いたバイパス手術などがあり、最適な治療を提案いたします。

2. 腹部大動脈瘤
腹部の最も太い動脈である大動脈が、まるで風船のように膨らんでしまう病気です。原因はほとんどの場合動脈硬化と喫煙で、その他の原因として特殊な血管の炎症や細菌感染などがあります。動脈瘤が小さいうちは自覚症状がほとんどなく、知らないうちに拡大して、最悪の場合は破裂して出血多量で致命的となる危険性があります。このため早期発見が何よりも大切で、たばこを長年吸い続けていらっしゃる50歳以上の男性は、大動脈瘤が発生していないか腹部超音波検査で確認しておいた方がよいので、一度当科を受診して下さい。
動脈瘤の大きさ(横幅)が5cmを越えると破裂予防の治療対象となります。治療法は、腹部を切開して動脈瘤を切除し人工血管に置き換える開腹手術と、鼠径部(足の付け根部分)の動脈からカテーテルを差し込んで、動脈瘤部分を覆うようにステントグラフト(自己拡張力のあるバネ付き人工血管)を留置する血管内治療があり、動脈瘤の形状やご本人の体力などを考慮して最適の方法を選択します。

3. 頸動脈狭窄症
正常な頸動脈は首の両側で拍動をよく触れますが、頸動脈に動脈硬化の塊(プラーク)が付着して狭くなると脈が弱くなったり聴診器で雑音が聞こえたりします。
このようなプラークは脳梗塞の原因となることがあるため、小さいものならば内服加療を行いつつ経過観察し、大きいものや狭窄が進行するようなものはプラークを除去する手術(頸動脈血栓内膜摘除術)やプラーク部分にステントを留置して内腔を広げる血管内治療(頸動脈ステント留置術)が必要となる場合があります。
やはり早期発見が重要であり、当科で行っている頸動脈超音波検査で正確に診断可能です。

4. 内臓動脈疾患
胃腸や肝臓・膵臓・脾臓・腎臓などの腹部臓器に向かう動脈を総称して「内臓動脈」と呼びます。この動脈も動脈硬化による悪影響を受けやすく、動脈が膨らんだ状態を「内臓動脈瘤」と呼び、狭くなった状態を「内臓動脈狭窄」と呼びます。
内臓動脈瘤は自覚症状に乏しく、ほとんどの場合は健康診断の腹部超音波検査や他の病気に対するCT検査などで偶然発見されます。大動脈瘤と同様に破裂すると致命的となりますので、このような動脈瘤が指摘された場合は早めに当科を受診して下さい。動脈瘤の場所や形状に応じて血管内治療や手術、あるいは定期的な経過観察を行います。
内臓動脈狭窄も無症状で偶然発見されることが多いのですが、特に小腸に向かう動脈(上腸間膜動脈)が動脈硬化性に狭くなった場合、食後の腹痛や慢性的な体重減少といった症状が発生します。このような症状がありかつ胃カメラなどでも原因がはっきりしないときは血管病変という観点から原因検索すると有効な場合がありますので、一度当科を受診して下さい。治療は病変の形状や症状に応じて内服治療や血管内治療あるいはバイパス手術などを考慮します。

5. 下肢静脈瘤
ふくらはぎや太もも付近の静脈がぼこぼこと数珠状に拡張する病気です。立った状態で目立ち、横になるとほとんど見えなくなるのが特徴です。
足の静脈には、重力に逆らって血液を心臓に戻すために逆流防止の弁が竹節状に付いていますが、長年の立ち仕事や妊娠出産などをきっかけに弁が壊れてしまい血液が逆流してしまうことが原因です。小さいうちは無症状ですが、放置していると徐々に範囲が広がって、見た目に目立ってしまったり、脚がむくんだり疲れやすくなったり、よどんだ血液が固まって炎症を起こし血栓性静脈炎という状態になって痛みや皮膚の黒ずみの原因になったりすることがあります。
小さな静脈瘤は医療用弾性ストッキングの着用で悪化防止に努め、目立つ静脈瘤はご希望に応じて硬化療法や血管内治療などを選択します。

外来担当医からのメッセージ

大動脈や足の動脈の病気は、糖尿病・高血圧症・コレステロール異常症などの生活習慣病をお持ちの方や人工透析を受けていらっしゃる方によく合併することが知られています。これらの病気をお持ちの方や長年喫煙を続けていらっしゃる方は、気づかないうちに血管病が発生している可能性があります。特に、歩行中に足が痛くなり、しばらく休むとまた歩けるようになるという症状にお心当たりのある方は早めに血管外科外来を受診して下さい。血管病に関して最先端の知識と技術を持った担当医が丁寧に対応させていただきます。

スタッフ紹介

役職・医師名 得意な分野 認定等
非常勤医師 高山 利夫たかやま としお