人工股関節手術を受けられる患者さまへ
人工股関節の手術が決まったら…
当日医師より
- 手術の説明
口頭で医師よりおおまかな説明を行います。詳しくは入院してから、再度説明を行います。 - 自己血貯血の説明
手術時の出血に備え、ご自分の血液を手術の2週間ほど前に400mlを採取し保存しておきます。 - 今までに大きなご病気はないか、治療したことのあるご病気、治療中のご病気などを伺います。
- 現在内服中のお薬の確認(お薬手帳があれば持参して下さい)
→手術に向けて中止するお薬がいくつかありますので確認させて頂きます。
看護師より
術前検査日の説明、自己血貯血を行う日までの過ごし方や、入院手術で必要な物品の説明、その他、必要な書類の説明があります。
- 術前検査(採血/心電図/レントゲン)を行います。(B2階)
その他、必要な検査があれば追加いたします。 - 外来棟1階(眼科外来前)入院センターで入院の手続き(入院のしおり、必要な書類をお渡しします。)
入院までに外来で行う流れ(自己血貯血)
- 朝・昼食、バランスの良い食事、水分を多く摂取して自己血貯血に備えます。
- 再来機に診察券を通し、受付を行います。
再来機設置場所 (B1階、B2階、1階、5階) - 1階外来受付に声を掛けてください。看護師が体調の確認をします。
- 食事をされていない場合は、お食事を摂ってから、自己血貯血を行います。
病棟側1階に食堂(カスターノ)、売店(NewDays)がございます。 - 自己血貯血
自己血貯血時の様子
(整形外科の処置室で行います。)
※自己血貯血後は、補食と水分を摂取し、貧血症状に注意してください。
出歩かず自宅でゆっくり過ごしましょう。
人工股関節のこと
- 手術前に
- 持病や内服薬の確認をさせて頂き、入院前検査(採血・採尿/心電図/胸部レントゲン)を行います。治療中の虫歯、皮膚に潰瘍などがある場合は、術後感染予防の観点から医師又は看護師にお伝え下さい。
- 入院期間
- 入院中に十分なリハビリを行うため、2~3週間ほどの入院期間が必要です。入院期間中に、広大なリハビリテーションフロアにて、股関節に特化した理学療法士・作業療法士が、専門プログラムに基づいてリハビリを退院までご指導致します。最も効率的な筋力回復、日常生活への復帰を支援します。
- 手術
- 原則的に全身麻酔と硬膜外麻酔で行います。
手術時間は症例により変動しますが概ね40分~1時間半程度、麻酔の時間などを含めるとプラス1時間ほどかかります。皮膚の傷(手術の傷)は7~9cmほどです。 - リハビリ
- 手術後1~3日より離床し歩行訓練を開始します。
筋力強化訓練、日常生活動作の訓練を行い退院に備えます。
退院までにT字杖(リハビリ室にて現物展示、売店にて販売)を用意して頂き原則としてT字杖を使用して退院となります。安全に歩行ができるまで筋力が回復できれば杖は不用となります。 - 入院費用
- 入院費用が高額になる場合、ご加入の健康保険組合等に事前に限度額適用認定証の交付申請を行い、認定証をご提示いただくことで、窓口負担が月単位で一定の額(自己負担限度額)にとどめられます。
詳しくは入院センターでご確認ください。
退院後に注意すること
- 定期的にチェックを
- 退院後1ヶ月で担当医の外来に受診して頂き、以後2~3ヶ月ごと、1年を経過すれば1~2年に1回はレントゲンを撮って、定期的にチェックする必要があります。
- 脱臼など
- 手術や リハビリの工夫により、当院での術後脱臼の心配はほぼなくなりました。しかしながら、最小限の注意は必要ですので、入院中にリハビリの技師が注意して頂きたい姿勢などを指導致します。
また、入院中ベッド上では両脚の間に枕をはさむ、手術した側を下にして寝ない、といった注意点がありますが退院後は続ける必要はありません。正座、足を組む、といった動作も問題ありません。特に股関節を深く曲げた姿勢の時、膝が内側に強く入るような極端な姿勢をとらない限り脱臼の心配はありません。 - 旅行、スポーツなど
- 術後2ヶ月くらいを目安に旅行、長距離の歩行や軽いスポーツ(ウォーキング、エアロバイク、ゴルフ、水泳など)が可能となります。より高度なスポーツを希望される場合は、担当医師にご相談下さい。日常生活の範囲で、必要時に走る、重い物を持ち運ぶ、といった動作には問題ありません。
- 自転車、自動車の運転
- 乗り降りの姿勢に注意して頂ければ通常問題なく可能ですが、まずは、安全な状況で練習されてから公道に出られることをおすすめします。
- 感染予防
- 人工関節の感染を予防するために、虫歯や水虫の治療は怠らないようにしてください。また、下肢の傷を放置して化膿させたりしないよう注意して下さい。
疑問にお答えします
人工股関節手術に必要なもの
※下記、リハビリ用の衣類以外は、全て病棟側1階の売店で販売しています。
- 手術後2~3日間のベッド上安静期間で使用する物
- 浴衣3枚
- T字帯3枚
- バスタオル1枚
- ブルーオムツ3枚
(手術後のガーゼからの汚染防止のため)
※浴衣の代わりに手術用病衣、各種入院時に必要な物が、レンタルサービスでご利用頂けます。(ブルーオムツ以外)
- ベッド上安静のためあると便利です。
- テッシュペーパー
(ウエットテッシュ) - 首が曲がるストロー
- テッシュペーパー
- リハビリ開始時に使用します。(術後2~3日より使用)
- リハビリ用の靴(簡単に着脱ができる物)
- リハビリ用の衣類(動きやすいもので袖口が狭くない物)
- 傷の処置のため、下着の上げ下げがあるので術後4日~1週間はトランクス型の下着があると便利です。