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古くから受け継がれながら、新しい感覚を取り入れて多くの人を魅了している魅力豊かな場所が、中央線沿線には数多く残っています。古くから伝わっている場所が現代でも愛され続けている理由を、今回は探っていきます。
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国分寺の近くのお鷹の道は、湧き水の清流に沿って自然を残しつつ整備された遊歩道です。その名の通り、江戸時代は尾張徳川家のお鷹場だったことでも知られています。そのお鷹の道のそばに作られたのが、平成21年10月18日にオープンした市立歴史公園「おたかの道湧水園」です。園の入り口にある幕末に作られた長屋門をくぐると、「武蔵国分寺跡資料館」があります。資料館では主に史跡武蔵国分寺跡の出土品が展示され、これまでの発掘調査の成果なども紹介。見る・学ぶ・訪ねるがコンセプトになった資料館では、奈良時代に建立された武蔵国分寺の歴史にふれることができます。また、お鷹の道の南側に入場券の発売や地理案内などを提供する全国初の「史跡の駅」、愛称「おたカフェ」もオープンしました。「おたカフェ」では、ボランティアによる史跡周辺の案内ガイドをお願いすることもできます。 |
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八王子の甲州街道沿いには、古くから続いている商店が多く、今でもそのたたずまいを残しています。中でも特徴的なのが看板建築の建物です。看板建築とは、関東大震災の後に商店などで多く用いられた建築様式のひとつで、東京や関東近郊で見ることができます。お店の前面の壁面が垂直に立ち上がっていて、壁面は銅版やモルタル、タイル張りで装飾が施されています。洋風のデザインが用いられた外観と土間作りの内装のミスマッチが、時代を象徴しています。明治28年創業のきものの西室も古き良き時代の雰囲気を守り続けた店構えです。看板建築と同じように垂直に立ち上がったデザインながら、町屋のような木をふんだんに使った趣きのある店構えです。そのほかにも土蔵造りの商店などが八王子周辺には多く現存し、建物を見ているだけでも街歩きがさらに楽しくなります。
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武蔵境駅から閑静な住宅街を抜けていくと、昭和初期に作られた武蔵野市市立古瀬公園内に総ヒノキ造リで格調高い美しさを誇る松露庵があります。松露庵は、かつて四谷で宮内庁御用達のタンス商を営んでいた古瀬安次郎の別荘として建築されました。昭和42年に武蔵野市のものとなって公園として整備され、市民に開放されています。市立古瀬公園は、名建築と名高い松露庵だけではなく、約2000㎡という広い純和風の日本庭園も見どころのひとつです。庭園には樹齢100年を超える大きな松や桜の木のほかに、大きな池も施されていて、季節ごとにさまざまな表情を見せてくれます。自然豊かな武蔵野の面影を残した松露庵は、本格的な茶室として、茶道や句会などの活動の場としても利用することもできます。
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お鷹の道の脇にある「おたカフェ」。「武蔵国分寺跡資料館」の入場券の販売を行っています。散策をひと休みする場所としても最適。 |
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長屋門は伝統的な門形式のひとつで、大名の武家屋敷門として生まれました。「おたかの道湧水園」の入口の門は、幕末のもの。 |
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八王子に多く残る伝統的な看板建築です。商店が変わっても、そのままのたたずまいを残して、営業している店舗もあります。 |
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八王子駅から徒歩5分の大島屋は、建築当時のままの看板も残っています。店名も右読みで、当時流行だった洒落たデザインが特徴的。 |
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木の扉を開けると、昔懐かしい小上がりのある店内になっているきものの西室。木の温もりが感じられる落ち着いた空間です。 |
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松露庵には、にじり口を持つ三畳台目の茶室と、六畳間と八畳間の和室があります。ふたつの和室は、ひとつの部屋としての利用も可能。 |
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松露庵の庭園も必見です。昭和初期の裕福な商人が贅を凝らして作り上げた日本庭園は、現在、市民の憩いの場となっています。 |
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