第19回
現代に魅力を伝える
古き良き佇まい

第18回
身体の中から美しく
健康的に

第17回
晴れの場で輝く
沿線の伝統芸能

第16回
今だけの美しさ
色鮮やかな紅葉を堪能する

第15回
東京が誇るおいしい
農作物

第14回
文豪が愛し暮らした
沿線の街

第13回
人々が踊り
町が沸く夏祭り

第12回
伝統を味わう武蔵野
うどん

第11回
自然と伝統を満喫する
散策路

第10回
中央線の魅力を
再発見

第9回
梅の香りに誘われて
早朝散歩

第8回
中央線沿線
“おみや”スイーツ

第7回
一生の幸せを願う
七福神めぐり

第6回
クリスマスの
きらめきに
誘われて

第5回
蕎麦屋を巡る
小さな旅

第4回
スローフードに
目覚めよう

第3回
懐かしいが新しい、
中央線クラシック

第2回
子供と遊ぶ、
沿線の自然

第1回
ペットと一緒に
出かけよう!

オススメ!
中央線沿線
ハイキングコース

生活に潤いと実感を与えてくれる
中央線沿線の魅力的なスポットを特集

中央線沿線は、今も昔も文化人が多く暮らしている街が多いと有名です。今回は山本有三、野口雨情、国木田独歩という明治から昭和にかけて活躍した文豪たちの生活の跡を辿ります。

山本有三は、『女の一生』や『真実一路』、『路傍の石』などで知られる劇作家・小説家。晩年は、参議院議員としても活躍し、それ以外にもふりがな廃止や憲法の口語化運動にも熱心に取り組んだことで知られています。有三は、現在の栃木市で生まれ、その後東京に奉公に出されたことから東京に住み始めました。現在、三鷹市山本有三記念館となっている建物は、1936(昭和11)年から家族とともに住んでいました。当時としては、ひときわ目を引いたと思われるモダンな洋館は、玉川上水のほとりに建てられています。庭には、有三がこよなく愛した竹が植えられており、多くの緑に囲まれた洋館で『路傍の石』などの名作を残したことがわかります。ところが第二次世界大戦後の1951(昭和21)年、この洋館は進駐軍によって接収されてしまい、一家は引越しを余儀なくされてしまいます。数年後、接収は解除されましたが、有三は緑豊かな洋館に戻ることはなく、土地と建物を東京都に寄贈したのです。それが後に三鷹市に移管され、1996(平成8)年「三鷹市山本有三記念館」として開館しました。

三鷹市山本有三記念館では、企画展を開催中です。930日まで「『日本少国民文庫』の世界と編集者たち」、103日からは来年62日までは「山本有三記念館への道―住宅・接収・青少年文庫―」を開催予定。

詩人、童謡の作詞家として知られる野口雨情は現在の北茨城市で生まれ、その後1924(大正13)年に当時の武蔵野村、現在の武蔵野市吉祥寺周辺に住み始め、書斎を童心居と名づけました。雨情は、『七つの子』、『赤い靴』、『シャボン玉』など多くの童謡の名作を残しており、大正時代には北原白秋や西條八十とともに童謡界の三大詩人と評されています。緑豊かな武蔵野村に居を構えた雨情は、自宅近くの井の頭公園周辺を散策しては、新しい作品の構想を考えていたそうです。多くの名作を童心居から生み出した雨情は、晩年病気で倒れるまで、20年以上を吉祥寺で過ごしました。野口雨情の死後、家屋は人手に渡りましたが、その後東京都に寄贈されます。そして書斎は、武蔵野の面影を残す井の頭自然文化園に移築され、現在は一般公開されています。書斎には、『シャボン玉』の詩が額装、『七つの子』が掛け軸に表装されています。また美しく手入れされた庭には、つくばいと清らかな音を奏でる水琴窟があり目だけではなく耳からも楽しめるようになっています。

国木田独歩は、現在の銚子市に生まれた小説家で、『武蔵野』や『牛肉と馬鈴薯』などの作品を残しています。また現在も続く雑誌『婦人画報』の創刊編集者としても知られています。その独歩が、妻として迎える佐々城信子と逢瀬を重ねたのが、幽玄な景色が広がる武蔵野の林だったそうです。国木田独歩と佐々城信子が会っていた明治中頃は、恋人同士の逢瀬も人目をはばかられる時代。ふたりの結婚は身分の違いから反対を受けており、人目につきにくい静かな林の中で、ひそかに会っていたことが偲ばれます。このときの様子は、独歩の作品『武蔵野』の中に描かれ、現在もその名が残る桜橋の名も登場します。桜橋の隣の橋は独歩橋と名づけられ、『武蔵野』の一文が記された国木田独歩文学碑が建てられています。

文豪たちが愛したのは、どこも緑が豊かで心癒される場所ばかり。そんなゆかりの地を訪ねてみると、もっと著書や作品への理解が深まるはずです。

三鷹市山本有三記念館の洋館の庭は、有三記念公園として開放されており、有三の好みの竹が植えられています。

企画展「『日本少国民文庫』の世界と編集者たち」では、山本有三が編者として手がけた数多くの貴重な本が展示されています。

日当たりのいいこの部屋は、有三の長女の部屋でしたが、元はサンルームとして利用されていたものと思われます。現在は、愛用のテーブルやイスなどが展示されています。

野口雨情が多くの名作を生み出した童心居は、落ち着いたたたずまいです。事前に申込をすれば、会合などに使うことも可能。

野口雨情の代表作ともいえる『シャボン玉』。幼いころに亡くなってしまった自分の娘を想って、作った詩と言われています。

国木田独歩が、佐々城信子と散策をした場所。橋がかかっているのは玉川上水で、現在でも閑静な小路が続いています。

境山野公園周辺は、自然のままの林が残されています。武蔵野の面影を残す場所として、多くの人が散策に訪れるスポットです。

三鷹市山本有三記念館
東京都三鷹市下連雀2-12-27
0422-42-6233
http://mitaka.jpn.org/yuzo/
開館時間 9:30~17:00
休館日 月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、休日を除く翌日と翌々日を休館)、年末年始
入場料 300円(中学生以下無料)
JR「三鷹」駅より徒歩12

井の頭自然文化園
東京都武蔵野市御殿山1-17-6
0422-46-1100
http://www.tokyo-zoo.net/zoo/ino/
開園時間 9:30~17:00(入園は16:00まで)
休園日 月曜日(月曜日が国民の休日、都民の日の場合は、その翌日が休園日)、年末年始
入場料 400円(小学生以下、都内在住・在学の中学生は生徒手帳を持参で無料)
JR「吉祥寺駅」より徒歩約10分

国木田独歩文学碑・独歩橋
東京都武蔵野市境4-4
JR「武蔵境」駅より徒歩11

境山野公園
東京都武蔵野市境4-5
JR「武蔵境」駅より徒歩12

JR東日本ホームページ

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