吉祥寺を拠点に、アートを通じて中央線沿線の街の人たちの交流を生み出し育むそんな取り組みがあります。現在進行形の現代アートを様々な形で発信している団体TERATOTERAをご紹介します。今回はTERATOTERAのチーフ・ディレクターを務める小川希さんにお話を伺いました。
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小川さんは、2000年頃から若い芸術家や作家の公募展を開催し、多くのアーティストとネットワークを築いてきました。そして2008年に『Art Center Ongoing』を吉祥寺にオープン。 「『Art Center Ongoing』は、1階がカフェで2階はギャラリーになっています。それまでも作家とのネットワークを生かして、アートイベントのプロデュースを依頼されることが多かったのですが、きちんとした活動拠点ができたことで東京都から文化発信プロジェクト『東京アートポイント計画』※への参加要請が来ました」 |
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そこで吉祥寺だけではなく、もっと広い地域に向けてアートを発信していくための団体、一般社団法人TERATOTERAの立ち上げを決意したのです。
「中央線には『寺』のつく駅名が多いんですよね。高円寺から吉祥寺をメインに活動をしていこうと考え、団体名をTERATOTERAにしました。私が小金井の出身だということもありますが、それ以外にもこの地域には独特の雰囲気があり、サブカルチャーが育っているというバックグラウンドで選びました。ニューヨークやロンドンに行くと『今、ここが流行の最前線!』といった場所が必ずあって、そこから流行や文化、アートが爆発的に広がっていきますが、東京にはそんな場所がありません。東京西側エリアを、そんなムーブメントの起こせる場所にしたいとの願いもあって、中央線沿線にこだわりました」 |
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小川さんによると、中央線沿線は美術大学も多くアートの育ちやすい土壌があり、アンダーグラウンドになりすぎないで、いろいろな人が自然と親しんでいる場所なのだとか。また各駅ごとに文化的なカラーがはっきりしているので、アートイベントを企画しやすいと言います。
「西側の市町村は芸術に理解を示している自治体が多く、イベントに協力してもらったり、コラボレーションをしたりすることも多いんです。拠点となっている吉祥寺もとても懐の広い街だと実感しています。最初は『若者たちが何かやっている』という感じだった商店街の人たちが、今ではイベントにも理解をしてくれて、『どうやったら街に人を呼べるのか?』などと逆に聞いていただくことも。大きな商業施設もイベントのときには無料でスペースを貸し出ししてくれたりと、本当に吉祥寺の街の人には助けられています」 |
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TERATOTERAには、TERAKKOと名付けられたイベントのボランティアを行うスタッフが100名ほど登録されています。ほとんどのアートイベントは、小川さんと他2名の主要メンバーとこのボランティアスタッフのTERAKKOで運営されているのです。
「1000人集まれば村ができると考えて、『TERAKKO 1000人計画』を立てています。中央線沿線にある美術大学で学び、卒業後もその場所を離れずに住み続けている人も多いようです。それでアートと関わりたいという思いが強く、しかもみなさん社会人なので、責任感も強くきちんとしっかりとされています。こうした人材が豊富なことも、中央線沿線のポテンシャルのひとつではないでしょうか」 |
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TORATOTERAの活動も丸2年が経過し、周囲の認知度も高まってきました。そこで2012年度は活動エリアをさらに広げて、発足当初から念願だった構想を実現していくそうです。そして今後は、場所や人材といった資源をアートによって結びつけ、もっともっと地域のために活用していきたいと語ってくれました。 |
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※『東京アートポイント計画』とは |
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東京ならではの芸術文化の創造・発信と、芸術文化を通じた子供たちの育成を目的に、東京都と財団法人東京都歴史文化財団が実施している「東京文化発信プロ ジェクト」の一環として、今年度より新たに着手する事業です。東京の様々な人・まち・活動をアートで結ぶことで、東京の多様な魅力を地域・市民の参画により創造・発信することを目指しています。 |
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