「八王子森林パトロール隊は、カナダの森林警備隊にヒントを得て、社団法人八王子青年会議所のメンバーが中心となって1967年に創設されました。八王子市の青少年たちが、大自然の中で学びながら精神を鍛え、豊かな情操を育むことを目的として結成されたそうです。小学生が中心となり活動を行う緑の少年団は、1970年ころに日本で初めて結成されました。八王子森林パトロール隊がモデルケースとなり、現在では日本全国で600余りの団体があるといわれています」 |
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結成当時、日本全国の社会現象となっていたのがゴミ問題でした。高尾山でも観光客が残していくゴミをどうするかという問題を抱えていたそうです。そこで八王子森林パトロール隊は、清掃と同時にゴミの持ち帰り運動を提唱し、地元の方とともに登山に訪れる人に呼びかけを行う活動を始めました。 |
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「登山に訪れる方のマナー意識が向上し、現在ではゴミのポイ捨てがほとんどなくなりました。おかげさまで、高尾山はとてもきれいな山だという評価をいただいています。子供たちがゴミ拾いの活動を行っても、落ちているゴミを競い合って拾うくらいなんですよ」 |
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ゴミ拾い活動も一定の成果を得た現在、八王子森林パトロール隊では定期活動である高尾山のゴミ拾い以外にも、多くの行事やイベントを通して子供たちの育成に取り組んでいます。 |
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「夏のキャンプや冬のスキー教室のほかに、高尾山周辺を20kmほど8時間以上掛けて縦走する登山も毎年行っています。自然に親しむ行事を通して、子供たちの精神面での成長を手助けできればと思っています」 |
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個人の自立を助けるために、あえて保護者が同行しないという八王子森林パトロール隊。子供たちのサポート役には、隊のOBである高校生の青年隊員が活躍しています。 |
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「青年隊員たちは子供たちの面倒をみてくれる兄貴分、姉貴分的な存在で、私たちの代わりに叱り役をやってくれたりと、とても頼りになります。高校生くらいの年頃だと、活動自体を恥ずかしがったりしますよね? でも彼らは、自分たちも昔は支えられてきたという気持ちがあるので、熱心に参加してくれています。こうした気持ちや精神が、やはり40年以上続くパトロール隊ならではの伝統ですね」 |
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近頃では異なる年齢、異なる地域の子供たちが交流する場が減ってきたと話す川上さん。八王子森林パトロール隊に参加することで、年齢や環境の違う大勢の人と関わることができるといいます。 子供たちは高尾山の豊かな自然を通して健全な精神を養い、見守ってくれる地域の人々に支えられながら、次の世代を担う若者へと成長していくのです。 |