「吉祥寺の飲食店で知り合った仲間が集まって、『何かやりたいね』と話をしていたのが始まりでした。吉祥寺には地方出身者もたくさんいますが、古くから住んでいる人とも自然に打ち解けられるフレンドリーな土地柄で、何年か住み続けていると地元としての愛着が強くわいてくる魅力的な場所です。そんな吉祥寺を盛り上げるイベントを企画したいと仲間が集まっては話をしていたのですが、そのひとりに弁天湯の親族がいたんです。」 |
 |
ひところに比べてお客様の数が減ってしまった銭湯に、以前のような活気を取り戻したいと考えて、弁天湯を会場として音楽イベントを開催することになりました。2005年に開かれた一番最初のイベントは、人数も小規模で、スタッフも手探りで準備を進めていったそうです。 |
 |
20代のスタッフが中心になって開催した『風呂ロック』は、場所の意外性と出演するミュージシャンの質の高さで評判を呼び、徐々に認知度を上げていきました。スタッフによると、数十年前には銭湯は地域の社交場として、音楽イベントなどが各地で開かれていました。その古き良き風習が弁天湯で復活したのです。 |
 |
「嬉しかったのは、イベントを通して、新しいお客様が弁天湯に増えたことですね。今まで知ってはいたけれど、足を運んだことはなかったという若い人が銭湯に興味を持ってくれたみたいです。昔の活気ある銭湯を知っている年配のオーナーやその知り合いの方々が、賑やかなイベントを喜んでくれたのも、とても励みになっています」 |
 |
今後は、年配の銭湯ファンに喜んでもらえる演歌のイベントや落語なども開催したいと構想を練っているそうです。 |
 |
イベントを通じて、世代を超えた仲間が集まるようになった『風呂ロック』のメンバーは、吉祥寺の商店街などが開催しているイベントの手伝いなども積極的に行っています。それが吉祥寺に対する恩返しの一環であり、さらに地元と強固な関係を築き上げていきたいという気持ちの表れなのです。 |