文楽など人形浄瑠璃のほとんどは一体の人形を三人で操りますが、車人形では箱型の台車に腰掛けて、一人の人形遣いが一体の人形を操るのが特徴です。
箱型の台車は「ろくろ車」と呼ばれ、前に二個、後ろに一個の車輪がついていて、人形遣いはそこに腰掛けて人形の頭と左手を人の左手で、人形の右手を人の右手で操ります。 |
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「ろくろ車に乗っているので、人形の足は自分の足で表現をすることができます。だから舞台上で足を踏み鳴らしたり音を出せるのが、八王子車人形の特色のひとつです。これは世界中の人形芝居を見ても、ほとんど類がありません。」 |
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八王子車人形では、古典から新作まで60ほどの演目があります。落語や説教節の流れを汲むものなどさまざまですが、すべて浄瑠璃がベースになっています。
日本だけではなく世界各地で公演を行っている西川古柳座では、ひとりでも多くの方に楽しんでもらうために、八王子市からの委託を受けて講習会も行っています。
高校生から60代の方まで、八王子車人形に興味を持つ人々が集まり、20回の稽古を行って、その締めくくりに舞台発表会があります。それ以外にも、夏休みの期間に子供のための教室も5年連続で開催しています。小学4年生から中学3年生までの生徒たちが、10日間連続で練習をして、最後に発表会が催されます。 |
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「伝統芸能というと難しく感じたり、古臭いと思う人もいるかもしれません。子供たちは、そんな先入観を持っていないので、スポーツや部活動と同じように気軽に取り組んでくれるのがいいですね。
子供教室を卒業してからも継続して続けてくれる子もいます。西川古柳座の遣い手は、子供の頃から車人形を見ていたという人ばかりです。舞台に立てるようになるまでは3〜5年の練習が必要で、思い通りに人形が遣えるようになるためには10年ほどかかります。
講習会などで車人形に触れてもらい、少しでも多くの人に興味を持ってもらえればいいと思っています。
八王子市のすべての人に車人形を知ってもらうことは難しいかもしれませんが、興味を持ってくれる地元のみなさんに応援してもらって、息の長いものにしていきたいですね。」 |