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長い鼻を器用に使い、大きなおにぎりを次々と口元に運んでいるのは井の頭文化園の人気者、アジアゾウのはな子です。おにぎりを頬張るたびに、観覧に来た人たちの顔にも自然と笑顔が広がります。はな子は66歳で、国内最高齢を更新中。長生きの秘訣は、担当している飼育員の方々のきめ細やかな心遣いにありました。今回は、はな子の健康を守る飼育員の室伏三喜男さんと齊藤美和さんにお話を伺いました。 |
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「はな子におにぎりを与えるようになったのは、一昨年前の冬に寒さで体調を崩したことがきっかけでした。ゾウはもともと消化器系にトラブルを起しやすく、体調を崩すと餌を食べなくなってしまうんです。はな子の歯は一本しか残っていないので、食べやすくて消化のいいものを選んであげるようにしています。試しにおにぎりをあげてみたら、すっかり気に入ってくれて食欲を取り戻したんです」 それ以来、はな子の定番メニューとなり、一日4回の食事のうち1回は必ずおにぎりになりました。一度の食事で2升のお米を食べるそうで、毎日手の空いている飼育員が交代でおにぎりを作っています。 「味付けなどは一切せず、ただお米を握っているだけです。握っていなくても食べますが、鼻先がベタベタしてしまうので食べやすいおにぎりの形にしています。男性の飼育員が作ると大きなおにぎりになることがありますが、はな子はあまり気にならないみたいです。一度で口に運べないときは、鼻で崩しながら食べていますよ」 いくらたくさん食べてもらいたいからといっても、飼育員の方が直接おにぎりや餌を口元に運ぶことはしていません。これもはな子の鼻の機能を維持するための大切な決まり事です。
飲み物にも気を使っていて、何十年も飲んでいたスポーツドリンクを嫌がるようになってからは、豆乳をあげてみたり、食用増進のための薬用酒を薄めてあげてみたり。今は黒糖をお湯で溶いたものをあげていますが、これも飼育員が食事のたびに手作りで準備をしています。
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ゾウは記憶力のいい動物で、飼育員の方々の見分けはしっかりとできているそうです。初めて会う人には警戒する態度を示すはな子ですが、しばらく会わなかった担当者の方と久しぶりに対面したときはリラックスした態度で接してくれたと言います。
「お客様も、リピーターで来てくださっている方などは見分けているのかなと思うことがあります。野生動物なので、じっと見つめ続けると警戒してしまいますから、気軽な感じではな子に会いに来てあげてくださいね」 |
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井の頭自然文化園には、ゾウのはな子以外にも多くの動物がなるべく野生に近い状態を再現しながら飼育されています。一日のんびりしていると、飼育員の方々が姿を見せた途端に餌の時間が近いことを察して走り回る動物たちの姿などを見ることもできます。次に訪れたときは、ぜひ飼育員の方々のきめ細やかなケアの様子も注目してみてください。きっと今までにない新しい井の頭自然文化園の魅力を発見できるはずです。 |
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飼育員の方々の詳しいインタビューは、『中央線が好きだ。マガジン』にも掲載されています。中央線の「東京駅」から「高尾駅」までの各駅で配布しています。ぜひご覧ください。
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