幸せいっぱい! 心が満たされる
成田山の「開基1080年祭」を訪ねよう

千葉県で有名なお寺といえば「成田山新勝寺」。今年は、成田山が開かれてから1080年を記念する年に当たります。それに関連して、4月28日(土)から5月28日(月)まで、10年に一度の御開帳が奉修されます。期間中は4月28日(土)の開白(かいびゃく)、5月2日(水)の火渡り修行、5月28日(月)の結願(けちがん)など、様々な特別法要や行催事が執り行われます。開基1080年に沸く成田山に、一足早く行ってきました!

JR成田駅から成田山新勝寺まで、テクテクお散歩!

成田山新勝寺へ行くなら、やっぱりJR成田駅から出発したいですよね。というのも、信仰の街にふさわしく、駅舎が社寺建築を意識したデザインなんです。軒は大きく張り出し、柱はシックな海老茶色。壁には城の鉄砲挟間のような縦長の開口を設け、「成田山」と書かれた提灯もあって雰囲気満点! 駅舎を眺めるのも楽しいですよ。

JR「成田駅」の駅舎

JR成田駅から成田山新勝寺まで徒歩約10分。表参道にはお土産屋や食事処などが軒を連ねており、「成田山開基1080年祭」の旗が祝賀ムードを盛り上げます。ふらりと立ち寄ったお店の人から、「成田山はお堂によって、いろいろとご利益がありますよ」と教えていただきました。お詣りに期待が高まります!

表参道のお店を覗くのも楽しい
「成田山開基1080年祭」の旗

こんな風に街の人とのふれあいを楽しみながら歩くうちに、もう、成田山新勝寺の「総門」に。総門の前は、海外からの観光客も多く集まり賑やかです。ところで皆さん、総門をご覧になって何か気づきませんか? そう、五色幕で彩られているんです。これも、普段はあまり見られませんよね。

高さが約15mもある成田山新勝寺の総門
大開帳に思いを馳せながら「大本堂」で参拝!
総けやき造りの総門から仁王門を眺める

総門は10年前の開基1070年祭で建立され、楼上に「生まれ歳守り本尊八体仏」を奉安しています。まずは、この全山の浄域を結界する大きな総門に一礼を。門へと歩を進めれば、そこは聖域。背筋がピンと伸びます。脇にある手水舎で手と口を清めてから、階段越しに見える仁王門を抜けて進めば、いよいよ大本堂です。

大本堂は、ご本尊の不動明王が奉安され、最も重要な御護摩祈願を行う中心道場です。ここで、御護摩の揺らめく炎に護摩木を投入し、願い事を清めて成就を祈願してもらえます。この大本堂の前に広がる境内で、大開帳の初日(4月28日)に執り行われるのが、御練りと庭儀による「開白大法会」。当日は、法要を執り行う僧侶をはじめ、多くの関係者が表参道から大本堂へと進む「御練り」が行われたあとに、大本堂の前で庭儀が行われます。

前回(成田山開基1070年祭)の開百の様子(写真提供:成田山新勝寺)

今年の成田山開基1080年祭も古式に則り、高さ12mの大塔婆を境内に立て、40名近い僧侶等によって国土安穏、万民豊楽、仏法興隆、信徒安全、講中繁栄などが祈念されます。因みに、大塔婆に使われる木は、国産のもみの木なのだとか。期間中は、この大塔婆に結ばれた御手綱を握って不道明王のご利益をいただく「大塔婆御手綱拝掌」などの行事も行われるので、この機にご本尊の不動明王と縁を深く結びたいものです。

五色幕を掛けるなど、粛々と準備が進められる境内は、様子がいつもと違います。普段は大本堂の正面に置かれて煙を立ち昇らせている香閣(こうかく)も、今は三重塔の周辺にお引越ししています。もともと大きな境内ですが、さらに広く感じられます。これもすべて、開白や中回向(5月13日(日))、大開帳を締めくくる結願などの行事のため。この境内を埋め尽くすほど人が集まり、厳かに執り行われる庭儀を間近に見られたなら、その荘厳さに圧倒されるのでしょう。そんなことを思いながら大本堂へ進むと、階段では記念行事の「市川海老蔵丈奉納演舞」で使う舞台が製作されていました。
ところで、大本堂にも掛けられている五色幕は、お釈迦様の御体や御教えを表しているんですって! そして、お不動様と参詣者との縁がより深まるよう、正月や行事のときに掛けているそうです。

成田山開基1080年祭に向け、準備が進む大本堂前
風にたなびく五色幕

大開帳の期間中は、毎日、大本堂で特別大護摩供が厳修され、祈願を申し込んだ人は特別御護摩札が受けられるんですよ。また、大本堂内陣参拝された人には内陣参拝「剣札守」が授与されます。ほかにも記念御守があるそうです。この特別な機会にたくさんのご利益をいただいて、運気アップを目指したいですね!

特別御護摩札(写真提供:成田山新勝寺)
開運厄除柴灯大護摩供や火渡り修行で心願成就!

期間中の行催事として、大本堂の西側広場で5月2日(水)に行われるのが、御護摩祈祷の「開運厄除柴灯大護摩供(さいとうおおごまく)」や「護摩木祈願火渡り修行」。柴灯大護摩供は、中央に設けた護摩壇で、参拝者が各々に願いを書いた特別護摩木を焚き上げて心願成就を祈念するそうです。続いて行われるのが火渡り修行で、護摩木を受けた人は優先的に火渡り修行に参加できますよ。前日までに受けた人は、その際に配付された火渡り修行券を忘れずに持参を!

柴灯大護摩供と火渡り修行が行われる大本堂の広場
過去に行われた柴灯大護摩供の様子(写真提供:成田山新勝寺)
過去に行われた火渡り修行の様子(写真提供:成田山新勝寺)
前日までに護摩木を受けると、火渡り修行券が配付されます
醫王殿では、美の源ともいえる健康を祈願したい!

記念事業の一環として建立された醫王殿(いおうでん)は、平成29年11月28日に、ご本尊薬師如来、日光菩薩、月光菩薩をはじめ、薬師十二神将の各ご本尊を奉安し、入仏落慶大法会を執り行ったそうです。健康長寿や病気平癒の祈願をしてもらえるので、美の源ともなる“心身の健やかさ”を保つためにも、祈願しておきたいところですね。

総ひのき造りの醫王殿。高さは12.19m、幅・奥行きは12.16m
醫王殿の近くにある手水場
約320年前に建立された「光明堂」で縁結びの祈願を!

「光明堂(こうみょうどう)」は、元禄14(1701)年に建立された重要文化財。大日如来や不動明王、愛染明王が奉安されています。良縁を望む人には絶対に外せない場所なので、しっかり祈願いたしましょう! 実は光明堂は、初代の本堂なのだそう。2代目の安政年間新本堂(現・釈迦堂)を建立した際に本堂の後方に移築され、さらに昭和39年に3代目の本堂(現・大本堂)を建立したときに、今の位置に移動したそうです。

総高が約15mもある光明堂
奉納されている額には「魚市場」の文字が
めったに見られない「奥之院」も特別開帳

光明堂の後方にある「奥之院」は、奥行き約11mの洞窟があり、正面に不動明王の本地仏である大日如来が安置されています。毎年、7月の3日間に限り開扉されますが、大開帳の期間は特別に開帳されるそうなので、この機会にお参りしたいものですね。また、入り口の両側にある板石塔婆の2基は千葉県指定有形文化財となっています。

静けさがただよう奥之院
2基ある板石塔婆のひとつ
重要文化財の「釈迦堂」で、開運厄除けのお祓い

成田山には重要文化財がたくさんあって、仏様への畏敬の念を抱きつつ、歴史の深さや寺社建築の貴重さを味わいながら巡るのも楽しいですよ。そのひとつが、安政5年(1858)に建立された前本堂にあたる「釈迦堂」。ここでは、開運厄除けを祈願してもらえます。

総ケヤキづくりの釈迦堂

釈迦堂では、ぜひお堂の外回廊を一巡りして! 堂周囲に彫られた「五百羅漢」や、扉に彫刻された「二十四孝」の素晴らしさに、思わずため息がこぼれます。中でも五百羅漢は、江戸仏師三名工と称された松本良山が、10年の歳月を費やして、狩野一信の下絵を基に彫刻したものだそうです。

壁面に彫刻された五百羅漢
五百羅漢の一人ひとりが異なる表情を湛えます
歴史の重みを目の当たりにできる貴重な重要文化財

大本堂の近くにある「三重塔」は、なんと正徳2(1712)年に建立された搭。ここに五智如来が奉安されています。周囲に彫刻された「十六羅漢」や、雲水紋が彫られた各層の垂木は、一枚垂木と呼ばれる珍しいものです。

重要文化財の三重塔は総高約25m

天保2年(1831)に再建された「仁王門」や、文久元年(1861)に建立された「額堂(がくどう)」も重要文化財に指定されています。額堂は、この度の記念事業の一環として耐震補強工事が施されたそうです。このように、歴史があり、信仰が宿るものを後世に伝えるのも成田山の使命なんですね。

仁王門正面の「成田山」の額は、東大寺の別当道恕上人の筆
額堂は、奉納額や絵馬を掲げるための建物です
出世稲荷で開運成就を!
四季を楽しめる成田山公園は散策にぴったり
御守やグルメも楽しみのひとつ!

お詣りや散策を楽しんだあとは、様々なご利益を求めて御守を手に入れましょう。人気は「身代御守」! 災難除や身体健全にご利益があり、紐付き錦袋入りは紫色と朱色があるので色選びも楽しめます。早速、購入した御守を胸にしまって、成田山新勝寺から表参道へと向かいます。

成田山新勝寺の「身代御守」
鰻のかば焼き

参道に出たらちょうどお昼。あちこちから鰻の香ばしい匂いが漂い、誘われるように鰻のお店へ。出来立てのかば焼きは、ふっくらとして滋味豊かの絶品です! 実は成田は、鰻料理が名物なんですって。昔、近くの印旛沼で鰻が獲れたそうで、それが名物料理につながったのでは、とお店の人が教えてくれました。

食事を終えてひとたび表参道に戻れば、参詣客の賑わいにあふれています。でも、大法会の御練りのときは、ここも厳かな雰囲気に包まれるんでしょうね。そんな思いが頭をよぎると「やっぱり大開帳は見逃せない!」と思います。

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