海の幸だけじゃない!
完熟メロンととれたての新米、南房総で里山の美味を堪能

ジューシーなマスクメロンやとれたての新米など、南房総の美味を味わうグルメツアーがこの秋にスタート。夏の終わりに南房総を訪ねて、ひと足お先にグルメ体験をしてきました。

特急新宿さざなみ号を利用して、内房線の富浦駅に到着。最初の目的地「道の駅ローズマリー公園」(以下、ローズマリー公園)は太平洋に面した外房にあり、内房の富浦からは車で約30分。田んぼを眺めながら、のんびりと南房総の旅が始まりました。

路線橋から眺めるのどかな富浦駅の風景
不思議な屋根のかたちが可愛らしい駅舎
イギリスの田舎町が出現?道の駅ローズマリー公園でお散歩

南房総市には8つも道の駅があって、その数は岐阜県高山市と並んで国内最多。市町村合併前の7つのエリアに一つずつ(富浦のみ2つ)あり、それぞれの道の駅は各地域の特色をいかしたつくりになっているそうです。ローズマリー公園がある丸山町は、ローズマリーの故郷であるギリシャの島々と同じ緯度に位置しハーブの栽培に適しているそう。園内にはハーブや草花が植えられた美しいガーデンがあり、チャペルや煉瓦造りの建物が点在しています。

園内には見事なイングリッシュガーデンが
イギリスのチューダー様式建築

建物は木の構造材を表に出した本格的なチューダー様式。まるでイギリスの田舎町にワープしたような不思議な雰囲気です。中世の劇場を再現したシアターもあり、コンサートや演劇をはじめ様々な催しが行われるそう。インスタ映えしそうな場所がたくさんあって、ドラマやプロモーションビデオの撮影によく使われるという話にも納得です。

地元の農産物や特産品がそろう「はなまる市場」
果汁したたる完熟メロンは目からウロコの美味しさ

ローズマリー公園を後にして向かったのは、ツアーのメインイベント、マスクメロンの食べ放題を体験できる安田農園。安田農園には9棟のガラス温室があり、それぞれの温室に10日おきにメロンを植えて90日かけて順繰りに栽培。南房総の温暖な気候のもと、年間途切れることなくメロンが収穫されています。

農園の入口には小さな看板が
のどかな里山の風景に囲まれて建つ温室

マスクメロンといえば網目模様のあるメロン、その程度の知識しかありませんでしたが、品種によって栽培方法や品質が全く異なるのだそうです。安田農園で栽培されているのは、純系品種のマスクメロンを改良した千葉県のブランド品種「アクアメロン」。ちなみに純系品種とは静岡のクラウンメロンに代表される最高級のマスクメロンのこと。
栽培がとても難しい品種で、ガラス温室内で地面より浮いたベッド(床)に苗を植える、隔離ベッド栽培で育てられます。地植えと違ってベッド内の限られた土で栽培するため、水や肥料をきめ細かく管理することが必要。手間ひまがかかるだけではなく、作り手の技量も問われる栽培法といえます。

地面から浮かせた床で栽培する隔離ベッド栽培
20日ほどつるにつけたままで熟すのを待つ
メロン一つずつに愛情を注いで育てる安田さん

ご主人の安田正一さんにご案内いただいて、さっそく温室のなかへ。安田さんはメロン栽培をてがけて40年という大ベテラン。温室内の床に植えられたメロンの苗木をよく見ると、1本の苗木についているメロンは1玉のみ。たった一つよりすぐりのメロンを残し、メロンにとって「もう少し水が欲しい」状態を保つのが、美味しく育てるコツなのだそう。

「まあ、食べてみて。違いはすぐわかりますよ」と自信たっぷりに微笑む安田さん。試食スペースに誘われ、いよいよ、最高級アクアメロンが運ばれてきます。 1/4にカットされたメロンは見るからにみずみずしく、あたりにはあま~い香りが……。スプーンを差し入れると果汁がじゅわっと滲み出て、甘くてかぐわしい芳香が口いっぱいに広がります。マスクメロンは種の近くは甘くても皮に近づくと糖度が下がってしまうことが多いですが、安田さんのアクアメロンは皮の近くまで甘くて美味!気づくと皮が透けるほど削って食べていました。

温室のそばに設けられた試食スペース

今回は試食だけですが、ツアーではこの美味しいメロンを食べ放題(30分)できます! 試食用のケースには20切れほど入っていますが、1人で完食しちゃう人もいるそう。この美味しさ、メロン好きなら見逃せないツアーですね。

試食用ケースいっぱいに入ったアクアメロン
直売コーナーもあるのでお土産にどうぞ
とれたて新米!清流の水で育つ蛍まいおにぎりランチ

メロンを堪能した後は、南房総の次なる美味を目指し「道の駅三芳村鄙の里」(以下、鄙の里)へ。のどかな田園風景がひろがるこのあたりは、市町村合併の前は三芳村と呼ばれていた土地。古くから農業が盛んな地域で、酪農の里としても知られています。

店のコンセプトは「身土不二」(その土地でとれた旬の食材を食べると身体に良いという意味)

鄙の里に併設されたレストラン「農村レストラン カントリーマム」では、三芳村の野菜をふんだんに使った食事をいただくことができます。「お母さんが家族のためにつくるお昼ごはん」をテーマに、地の野菜と手作りにこだわった料理は、美味しくて身体にやさしいと評判。今回はツアーのため特別に用意していただいた「蛍まいのおにぎりランチ」をご紹介します。

「蛍まい」とは無農薬に近い有機農法でつくられた三芳村のブランド米。蛍が舞うような清流で育つことからその名がつけられました。三芳村には無農薬、減農薬で米づくりをする「蛍まい研究会」があり、カントリーマムでは、研究会の人々がつくる身体にやさしいお米や野菜を使用しています。 蛍まいのおにぎりは、新米のうまみを味わうために具は入れず、塩と海苔だけでむすんだもの。ごはん粒の一つひとつがツヤツヤしていて、噛みしめるとお米本来のほのかな甘味が口にひろがります。根菜たっぷりの汁物や野菜の副菜もうま味と滋味に溢れ、体の内側から癒されるような美味しさ。

「蛍まいおにぎりランチ」。塩むすびには自家製の梅干しも
蛍まいは直売所で購入可能

食へのこだわりもさることながら、店内には季節の草花が美しく活けられていて、心和む空間演出も魅力のひとつ。花活けはオーナーの角田明美さんによるもので、フラワーアレンジメント教室も人気だそうです。全国から選りすぐった生活雑貨のショップも併設されていて、素敵な器やこだわりの食材がたくさん!

オーナーの角田明美さん
益子焼の器
山形のつる細工のバッグ
崖観音から鏡ヶ浦の絶景を眺める
観音堂は崖から突き出た舞台のよう

蛍まいのおにぎりで腹ごしらえを済ませたところで、崖観音で知られる大福寺へ。大福寺は館山湾を見下ろす船形山の中腹にあり、駐車場から山の上を見上げると、むき出しの岩肌に張り付くように朱色のお堂が見えます。こちらが崖観音の名で親しまれる観音堂で、岩肌に彫られた十一面観世音菩薩を祀るためにつくられたそう。いったいどうやってあんなところに? と感心しながら、さっそく本堂脇の石段をのぼって向かってみました。

石段を登る途中にはお不動様があり、そこから上を見上げると、地層がむき出しになった岩壁が庇のように迫ります。そこからさらに石段をのぼると観音堂に到着。清水寺のように崖からせり出した舞台があり、眼下には館山湾の眺めが一望できます。内房の海は波静かで鏡のような水面であるため、地元の人は鏡ヶ浦と呼んでいるそう。この日はお天気に恵まれて、素晴らしい眺めを堪能できました。

間近に見上げると岩肌が迫り来るよう
日本百景にも数えられる鏡ヶ浦の眺め

観音堂に入り崖に刻まれた観音様を参拝。平成28年に修復を終えたばかりの堂内は色鮮やかで、見上げると美しい天井絵が。格天井の升目の一つひとつには、南房総の植物を中心に可憐な草花が描かれていてため息が出るほどの美しさです。観音様のお参りを終え大福寺を後にしました。

色鮮やかな観音堂の内部
本堂には見事な大ソテツが
南房総の人気スイーツ、びわソフト

ツアーの最後に訪ねるのは「道の駅とみうら枇杷倶楽部」(以下、枇杷倶楽部)。南房総特産品「房州びわ」を使ったスイーツが用意されています。枇杷倶楽部の中央には吹き抜けのアトリウムがあり、ソファや椅子があるのでゆっくり寛ぐことができます。デザートは、びわソフトやびわシャーベットなど数種類から選べますが、私は一番人気のびわソフトをチョイス。びわの香りがほんのり甘酸っぱく爽やかな甘味で、疲れが癒されるような美味しさです。

南房総の人気スイーツ「びわソフト」
緑に包まれたカフェレストランのテラス席

道の駅のお楽しみといえば、なんといってもお買い物。枇杷倶楽部のショップには房州びわを使ったオリジナル商品がたくさんあって、ここでしか買えない個性的な品揃えが自慢です。びわのジャムやシロップ漬け、お饅頭や飴など、数え切れないほどのびわ商品がずらりと並んでいます。

完熟びわのピューレで作ったゼリーが人気
南房総の野菜やお花が並ぶ可愛らしいマルシェ

メロンやお米や野菜など、南房総の里山には知られざるこだわりの食材がいっぱい。房総といえば海の幸に目が行きがちでしたが、里山にも奥深い魅力があることに気づかされ、目からウロコのグルメツアーでした!

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