九十九里「Sghrスガハラ ファクトリー」でガラス制作体験! 感性を刺激する日帰り旅行のすすめ

菅原工芸硝子はデザイン性の高いハンドメイドのガラス製品で知られる、昭和7年創業の硝子メーカーです。青山(東京)や芦屋(兵庫)など全国に8つの直営店をもち、製品はすべて千葉県九十九里の「Sghrスガハラ ファクトリー」でつくられています。工房見学やガラス制作体験もでき、おしゃれなカフェやショップも併設されているという工房を訪ね、ガラスでお皿をつくる体験をしてきました!

車窓の風景を楽しみながら、いざ九十九里・東金駅へ

JR東京駅から総武線快速で約40分、荒川、江戸川、花見川といくつかの川を越えて千葉駅に到着。千葉駅で外房線(東金線直通成東行)に乗り換え、車窓の風景を楽しみながら、およそ40分で菅原工芸硝子の最寄駅「東金駅」に到着します。

電車でいくつもの川を越えていきます
千葉駅からは外房線に乗車

東京の喧騒を離れ、東金駅でホッと一息。駅の西側にはレトロな商店街があり、その奥には展望台から東金市を一望できる山王台公園が見えます。よく晴れた日には太平洋を見渡すこともできるとか。駅から徒歩10分ほどの場所には徳川家康が東金御殿を築造した際につくったとされる八鶴湖もあります。

東金駅に到着!
駅前の商店街の先に山王台公園が見えます

東金駅から路線バスで約15分の「日本ペイント前」で下車し、新緑が輝く桜並木を抜けると菅原工芸硝子の看板が見えてきました。敷地内にも桜並木が続き青々とした新緑が気持ちいい! こんなステキな場所にあるガラス工房ってどんな感じだろう……期待が高まります。

バス通り沿いにある矢印型の看板が目印
菅原工芸硝子の看板
ガラスのお皿づくりを体験!

敷地に入ると左手すぐにカフェ、その奥にショップと、工房があります。ガラス制作体験をする場所は職人さんが働いている工房内です。工房に入ると、大きな窯の周囲で職人の方々がテキパキと仕事をこなしていて、かっこいい! 中央にある大きな窯にはガラスが高温で熱されているルツボが10本設置されているそうで、近くに寄ると顔が焼けるような熱さです。

工房の建物
建物の前に展示されているルツボ
工房風景。奥に見えるのがガラスを溶解している窯

体験コースは、お皿をつくる「のばしコース」と一輪挿しやコップをつくる「吹きコース」がありますが、今日は初心者でも簡単にできるという「のばしコース」に挑戦。いよいよ体験スタート! 体験前に工程を職人さんが丁寧に教えてくれますが、一発勝負なので失敗したらどうしよう〜、と思いつつ、ワクワク。窯から取り出したガラスの塊は約1200度で、空気に触れるとどんどん冷え、ほんの3分ほどで600度にまで下がり固まってしまうといいます。固まる前に、模様の押し型を押したり、好きな大きさに伸ばしたり、皿のリムを立ち上げるなどして、成形していくのですって。

どんなものがつくれるかの作品例はショップで確認できます
職人さんが事前に丁寧にレクチャーしてくれます
窯から取り出したガラスを作業台に移しているところ。溶けたガラスの美しさに思わず見入ってしまいます
ガラスに模様をつけるための型。ガラスがやわらかいうちに押し付けます

実際に体験してみると、思ったよりも熱い! 溶けたガラスはほんの数十秒で硬くなりはじめ、あっという間にコテを当てるとカチカチと音がするほどに。でも、台の下描きの大きさまでしっかり伸ばせたので、まずは満足。事前にシミュレーションが必要なのは、このためかと納得。職人の方々はあっという間に変化していくガラスを、いとも簡単に操っていて、本当にすごい……!!

台に下描きしたチョークのラインまで、熱々のガラスをヘラで伸ばします
ガラスが少しずつ透明になり硬くなっていきます
ガラスがある程度硬くなってから皿のリムを立ち上げます
工房見学で、ガラスのことがもっとわかる!

体験後には工房内を見学。赤く溶けたガラスが、職人さんの手によってどんどん変化していく様子が美しくて、時間を忘れて観察してしまいました。そして、ひときわ難しそうな馬の細工物を制作しているのを発見。案内の方によると、制作しているのは一番のベテランで伝統工芸士の塚本衛さんで、これは塚本さんにしかつくれないものなのだとか。思わずじーっと見入っていると塚本さんが気づき、「これはハシといって、ガラスを挟むもの。これはピンサー……」と道具について説明してくださいました。「ガラスづくりの魅力とは?」と尋ねると「いくらやっても完成しない、まだまだ先があって奥が深いところかな」と気さくに語ってくださいました。職人さんの生の声が聞けて、うれしい!

「夜はよく寝ることが集中力を高めていい作品をつくる秘訣」と語る笑顔がステキな塚本さん。
馬の頭がフット(足)になるデザインのグラスを製作中
ガラスを挟むときに使うハシ
竿の先に巻き取ったガラスを型にはめて息を吹き込み、グラスをつくっているところ

工房では30人の職人さんたちが、つくる製品ごとに8班に分かれて動いています。窯の中のドロドロに溶けたガラスの温度は最高で1400度程度。日によって多少異なり、この日は1310度だと職人さんが教えてくださいました。窯から取り出したガラスは900度ほどに冷めたところが一番扱いやすいのだそう。成形されたガラスは除冷炉で4時間ほどかけて約100度まで冷まされます。

型から出して、さらに息を吹き込んで成形していきます
成形されたガラスが除冷炉から出てきたところ
おしゃれなカフェでゆったりとくつろいで

ガラス制作体験、工房見学のあとは併設の「Sghr Café Kujukuri」でひと休み。店内のどの席からも外の景色が見えるようになっていて、天窓のある席やテラス席もあり、開放的で落ち着いた雰囲気です。本を読んだり、スケジュール帳を開いたり……ぼーっと外の風景を見ているだけでも癒されます。インテリアにはガラスが多く使われていて、それを発見するのも楽しい!

天井から吊るされたランプも自社製品
テラス席には爽やかな風が吹き抜けて気持ちがいい! 春のお花見の時期に来るのもよさそう

カフェで使われている器はすべて自社製品で、実際に使い心地が試せます。器好きにはうれしいですね。ランチには、一番人気のキーマカレーを、食後にはカプチーノとチーズケーキを注文しました。カレーの器はコロンとした丸いフォルムであたたかみがあります。こちらの器はかわいいだけではなく、高さがあるうえに、内側のカーブがスプーンですくいやすい角度になっていて食べやすい!

キーマカレーはトマトが入っていてマイルドな味わい。スープとサラダ付き
自家製チーズケーキは甘さ控えめで濃厚。コーヒーカップは手によくなじみ、口あたりもいい
お水もいろいろなグラスに入れて。茶筅と竹をモチーフにしたグラスは煎茶も似合いそう
4,000種類にのぼるオリジナル製品が一同に見られる!

カフェでゆっくりくつろいだあとは、ショップでお買い物。広い店内には4000種類にのぼるハンドメイド商品が並びます。デザインは職人さんたちによるもの。きっと、ガラスの性質を熟知しているからこその発想なのでしょう。デザインした職人さんの写真や名前が表示されている商品もあるので、お気に入りの職人さんを見つけるのも楽しいかもしれませんね。

ショップ外観
入り口付近には色鮮やかなガラスのモザイク
ショップ内観

棚にはさまざまな種類のグラスが並んでいます。グラスは厚みが薄いのが特徴で、それも菅原工芸硝子のこだわりなのだとか。先ほどカフェで使ったグラスも、飲み口が薄くて口あたりがよく、お水がすっきりとおいしく感じられました。あのやわらかく溶けたガラスをこれだけ薄く形づくるには、相当高度な技術が必要なはず。商品の色味はさまざまですが、少しくすんだ青、黄、紫が大人っぽくてすてきです。

波模様が美しいグラス
季節の特集コーナーでは(母の日用に)花器が展示されていました
カフェで気になっていたコーヒーカップ&ソーサーを母へのプレゼント用に購入

商品を一つひとつじっくり見ていくと、さまざまなアイデアの商品が並んでいてとってもバラエティ豊か。陶や金属、木など他の素材とガラスを組み合わせたものや、アーティストとコラボレーションしたものもあり、ガラスの新たな魅力を発見できます。表面にフルーツの質感が表現され、飲み物を入れることで表情を変えてさまざまなフルーツに見えるという「果物グラス」や、ガラスと陶器を組み合わせた茶香炉、ビールの泡が雲のように見えるグラスなど、見ているだけで楽しくなる遊び心のあるガラスとたくさん出会えました。

果物グラス(桐箱付き)には果物に見立てて特選シールも!
ガラスと陶を組み合わせた茶香炉
ビールの泡が雲のように見えるグラス「kumo 雲」

ガラス制作体験で感覚を刺激され、カフェやショップでゆったり過ごし、ガラス三昧の一日を満喫。ワクワクしながらものづくりに夢中になる感覚を久しぶりに味わい、リフレッシュすることができました。つくった作品は冷めるまで待てば持ち帰れるそうですが、今回は郵送してもらうことに。届くのが楽しみです! 帰りは路線バスに乗って東金駅に出て、駅から徒歩10分の八鶴湖周辺を散策してから東京へ。時間があえば、途中駅で房総特急列車「しおさい」に乗り換え、ゆったりとした気持ちで今日1日の楽しい思い出に浸るのもいいですね。

八鶴湖の風景。周囲に1000本の桜が植えられ、春には花見客で賑わうそうです
modal 1
modal 2

modal 2